普段ではやらないことも平気でやってしまう群衆心理とは | 薬剤師トピックス

ハロウィンとなると、渋谷の街に若者が繰り出して、大騒ぎをして、集まった群衆の一部が暴徒化して、軽トラックを横転させたりするような事件もありました。

もともとはハロウィンは、仮装した子供たちが近所にお菓子をねだりに行くという微笑ましいイベントですが、それが若者に広がり、渋谷という大舞台でイベント化していったようなところがあります。

結局、日本の警察力によって、ひどい行為をした人は割り出されたということですが、群衆となると、普段ひとりでは絶対にやらないことをやってしまうというようなことがあります。

群衆心理とは

ハロウィンでの渋谷での若者の暴徒化の話をしましたが、それでも日本人はおとなしいほうで、海外などは、しょっちゅうデモ隊が暴徒化して、商店街のショーウインドーを壊したりするような事件がよく起きたりします。

これは、群衆になると周囲に影響されて、普段ひとりでは絶対やらないようなことでもしてしまうという群集心理からきています。

特に、スポーツやイベントなどの共通する目的のために集まった群衆の中では、一体感が生まれやすくなります。

国際的なサッカーやラグビーの試合などが日本で開催されると、渋谷のスクランブル交差点でハイタッチをしまくるといった光景などもありますが、あれもこうした一体感から生まれているのです。

たとえ、渋谷には一人できていても、そこにハロウィンであったり、サッカーやラグビーの応援という共通項があれば、そこで周囲の人との一体感が生まれやすくなるのです。

そしてこの一体感が気分の高揚を引き起こし、群衆の感情は高ぶっていきます。

周りの人も同じように一体感を感じ、気分が高揚してきて、そこに相加作用・相乗作用が生まれてきます。

そして、冷静な判断力や抑制力がだんだんと低下していってしまいます。

さらにそこに、アルコールなどが入っていれば、歯止めがきかない状態へとなっていってしまうのです。

群衆心理の特長とは

人はなぜ、ハロウィンのときに渋谷で大暴れしてしまったのでしょうか。

一つは、共通の目的で集まった人で、気分が高揚してということで、『一体感』がその要素として挙げられます。

そして、群衆心理の特長として、大勢の中での自分ということで、自分を群衆と一体化することにより、個人の自我が薄れる傾向となり、それにより無責任な行動をとりやすくなるという『無責任性』という要素があります。

さらに、渋谷に集まった群衆は、多くがお互いに見ず知らずの人であり、匿名性が高いため、罪悪感が薄れやすいという『無名性』の要素があるのです。

こうして、『一体感』、『無責任性』、『無名性』ということが、「何をやってもいいや」というようなことにつながり、普段一人ではやらないようなことでもしてしまうようになるのです。

人が群れるのは不安があるのかも

人間はよく群れたがる動物です。

なぜならば、人間の心理として、周囲の人の考えを確かめて安心したいというものがあるからです。

特に不透明な世の中、不安をもつ人も多く、周りの人と一緒ということを確認して安心したいという心理がより強くでてきているのかもしれません。

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