お湯を作りたいとき、昔であればヤカンに水を入れて、コンロに火をつけてということをしていましたが、最近では、コップに水を入れて、電子レンジでチンということもできます。
なぜ電子レンジで水が沸くのでしょうか。
電子レンジで温まるしくみ
電子レンジは料理を温めたり、水を沸かしたりしますが、特に火を使うわけではありません。
ではなぜ火も使わないのに温めることができるのでしょうか。
その答えは『マイクロ波』になります。
電子レンジには、マグネトロンという真空管の一種になるものがついていて、そこから強力なマイクロ波が出されます。
マイクロ波は食品の中に含まれている水分、つまり水分子を振動させ、これにより摩擦熱が生まれます。
この摩擦熱で食品が温められるのです。
電子レンジの内側が金属になっているのは、マイクロ波は金属にぶつかると反射する性質があるため、それで電子レンジの中央に載っている食品に集中的にマイクロ波を当てることができ、温めることができるからです。
ちなみに、マグネトロンは電子レンジの上部についていますが、そのために食品が温められ、その下にある容器はそれほど熱くならないですむのです。
電子レンジは容器に注意
電子レンジで食材を温めるには容器・皿に注意しなければいけません。
弁当などでも「電子レンジで温めないでください」と注意書きがあるものがあります。
容器や皿に塩化ビニルや耐熱性が低いラップなどが塩素が使われていると、電子レンジのマイクロ波の振動により温められ、食品に溶けだしてしまいます。
ガラス容器や陶磁器といった容器であれば、極性がなくマイクロ波を通過させます。
したがって、中に入っている食材を温めることができるのです。
ところが極性がある金属製の容器などを使うと、マイクロ波が跳ねかえされて中の食品は温まりません。
アルミホイル、金属の付いた食器にマイクロ波が照射されると火花が出たりします。
マイクロ波は電子レンジの外に出ないのか
電子レンジのマグネトロンからマイクロ波が出されていますが、マイクロ波はガラスを通過してしまいます。
電子レンジからマイクロ波が漏れ出ることはないのでしょうか。
もちろんそんなことがあったら大変です。
電子レンジの前面がガラスだけであれば、マイクロ波が通過してしまいますが、電子レンジの扉をよくみると、表面に小さな穴が開いた金属(鉄板)があります。
電子レンジのマイクロ波の波長は約12㎝の振幅幅で伝達されるので、これ以下の大きさの金属体の穴は透過できません。
12㎝よりも小さな金網があれば電磁波が漏れ出ないのです。