アイデアが次から次へと湯水のように湧き出てきたり、それをマシンガンのように繰り出せるような人は、羨望のまなざしで見られたりしますが、こうなるためには、アイデアをしょっちゅう使うことが大切です。
使うからこそすぐに出てくる
家の中のものを整理整頓する時のことを考えてみてください。
食器にしても、洋服にしても、普段よく使うものは一番取り出しやすい引き出しに入れておいて、すぐに取り出せるようにしていると思います。
一方、普段使わないものは、取り出しにくい所や、奥の方にしまいこんでしまうと思います。
普段よく使うものは、どこにあるかすぐにわかり、さらにすぐに引き出すことができます。
しかし、普段あまり使わないものは、収納してあることはわかっていても、すぐに取り出せなかったりします。
プロは多くの引き出しを用意し、準備をしている
なぞかけ芸人に、Wコロンのねずっちさんという芸人がいます。
「整いました! 〇〇とかけまして、××とときます。その心は△△です。 ねずっちです!」
という芸風で、お客さんから言われたお題について、即興でなぞかけを披露したりします。
ある時、交通機関が遅れて、ねずっちさんの会場入りが遅れてしまったことがあるそうです。
その時、すでに到着していた相方が、ねずっちさんを困らせようと、お客さんに同じお題で何度も何度もリクエストしてみようと持ち掛けました。
ねずっちさんが到着すると、お客さんは同じお題で何度も何度もリクエストしました。
ねずっちさんは、みごとに何度も何度もリクエストされる同じお題に、違うなぞかけを披露してみせました。
これは、普段から練習で、ねずっちさんが同じお題についていくつもいくつもなぞかけを考えていた相方が、ねずっちさんなら大丈夫と踏んでいたからこそできた芸当です。
つまり、その場で考えたのではなく、いくつか同じお題でいくつものなぞかけを用意していたのだと思います。
いくつもある引き出しの中から、次々と同じお題に対してリクエストされたなぞかけを披露していたのです。
引き出しのストック準備が大切
次から次へとアイデアが湧きだしてくる人は、つねに引き出しを新しくし、さらに使いこなしているのです。
なぞかけにしても、あるお題についてすべて自分の考えたなぞかけを覚えているわけではないかもしれません。
でも日頃から考えておくことにより、なぞかけを作り出しポイントをすでに習得してしまっているのかもしれません。
例えば、「りんご」とかけましてとお題をリクエストされたときに、りんごをどういう視点でみて、どういったものを関連付けていくかということを繰り返しているうちに、「りんご」だけでも、次から次へのなぞかけが作れたりするようになってきます。
普段からアイデアや発想を引き出す訓練をしていれば、例えば、お題はリンゴとなったきに、りんごと共通点、音声的に駄洒落は使えないか、果物としての視点、赤いという特徴、いろいろあるリンゴの銘柄とは結びつけられないだろうか、こうした引き出しが瞬時に出てくるのかもしれません。