ネットでも多くの健康情報が出回るようになりましたが、その情報の確度は玉石混淆です。だからこそ、ヘルス・リテラシー(health literacy)、健康リテラシー、医療リテラシーなどといった言葉も言われるようになり、やたらに「エビデンス」という言葉が使われるようになってきています。
ヘルス・リテラシーのためにも、エビデンス(科学的根拠)がしっかりした情報をということですが、この「エビデンス」と言う言葉が、なかなか難しいのです。
エビデンスとは
健康番組で、〇〇が健康に良いというようことをやると、翌日スーパーから〇〇が消えるというようなことがよく起きます。
短絡的といえばそうなのですが、メーカー側もいろいろある論文の中から、自分たちに都合の良いものを探し出して、データを示して「エビデンスあり」とするわけです。
エビデンス、つまり科学的根拠がある、医学的に証明されているということで、確かにそういう論文が出ていて、データもでていれば、ある面、エビデンスはあります。
しかし、たいていの「〇〇は体に良い」といった類のものは、体に良いとする論文と、それを否定する論文の両方があることが多いのです。
つまり、ある論文でデータっともに「〇〇は体に良い」というデータが示されていても、それはあくまでも一面的なもので、そのエビデンスが100%正しいかというと、それは別問題になってきます。
ヘルス・リテラシーが大事
論文のデータは、あくまでも一面的なものであるので、メーカー側の思惑どおりに発表された論文を鵜呑みにするのではなく、表面的な結論だけにまどわされず、その研究内容を「読み解く力」つまり、ヘルス・リテラシーが重要になってくるのです。
論文といってエビデンスの信頼度はまちまち
エビデンスといっても、その信頼度はピンキリといってもいいでしょう。
エビデンスの信頼度の目安として、その出典は非常に役立ちます。
一言で医学雑誌といっても、査読がしっかりしている超一流どころのものから、三流以下といったものまでさまざまです。
学術誌の信頼度の一つの指標として、『インパクト・ファクター』といって、そこに掲載された論文がどれほど引用されたかということでみる方法があります。
そして、『インパクト・ファクター』はある計算方法を用いて、ランキングづけされています。
この『インパクト・ファクター』のランキングで上位、つまり信頼度が高い雑誌としては、「NEW ENGLAND JOURNAL OF MEDICINE」、「The LANCET」、「JAMA-JOURNAL OF THE AMERICAN MEDICAL ASSOCIATION」、「NATURE」、「SCIENCE」といった超有名な雑誌がトップ20入りしています。