黒川検事長が賭け麻雀を、しかも新型コロナで不要不急の外出自粛期間にもかかわらずやっていたことが暴露されました。
自分の立場をわきまえていれば、ましてや今注目されていることを考えれば、検事長という役職の人間にしては大変軽率な行動だったと思います。
普通ならこんなことをしない、真似できないということから、皮肉を込めていえば、ある意味で「余人をもって代えがたい人物」だったのかもしれません。
賭け麻雀が本当であれば、賭博罪となり、検事長どころか弁護士資格まで剥奪となり、すべてを失ってしまうことになるでしょう。
それでも止められなかった賭け麻雀。ギャンブル依存症で多くの人が人生を棒に振ってしまっているのです。
新型コロナで国から緊急事態宣言が出て、都道府県からも強く自粛が要請されている中、県をまたいでパチンコをしに行く人たちもいました。
パチンコ屋の駐車場には他県ナンバーの車も並び、開店前からパチンコ屋の前に長蛇の列ができているのを見ると、呆れてものも言えなくなってしまいます。
一般の人からすれば、非常識であり、みんなが自粛している中、こういう奴らがいるからなかなか感染がおさまらないんだと怒りを感じる人もいるでしょう。
隣町ぐらいまで遠征していくというのであればまだしも、東京都や神奈川県から、県境を2つも3つもまたいでわざわざ茨城県や栃木県で開店しているパチンコ屋の情報をキャッチし、100km近くも車を運転し、わざわざでかけていくというのは相当の病気といってもいいでしょう。
ギャンブル依存ってどのぐらいいるの?
ギャンブル依存の人の有病率は、成人の1~3%いると言われていて、男女比は2:1と言われています。
ギャンブルへの抑えがたい衝動があるために常軌を逸した時期にもギャンブルをしに出掛けてしまうのです。
そして一度はまると、だんだんエスカレートして、ひどくなると自分の意志でやめることができなくなってしまうのです。
重症になると、資金を得るために反社会的行為に出る人もいます。
日本においては、ギャンブル依存、病的賭博の約半数がパチンコやスロット依存と言われていて、これに次いで競馬やポーカー依存がみられます。
もちろん負けるつもりでギャンブルをやる人はいません。こういった人たちには共通して、「次こそは(次も)勝つ」という根拠がない強い信念があります。
そして、ギャンブル依存の人の多くが、金銭ですべての問題を解決できるという非常に歪んだ思考の持ち主なのです。
ギャンブル依存の危険サイン
いやいや、俺は新型コロナで外出自粛の中、100kmも車を走らせてパチンコしに行ってないから大丈夫だと思う人もいるかもしれませんが、ギャンブル依存のサインが出ている人もいます。
ギャンブル依存は、男性では青年期早期に、女性では中年期以降に始まることが多いと言われています。
数年から十数年の経過をたどっていきます。
Winning phase
Winning phase つまり勝利の段階では、ギャンブルで勝利することで万能感を感じ、そしてどんどんギャンブルの虜になっていきます。
また、いろいろとかかえている問題から逃避するためにギャンブルにはまるケースもあります。
Losing phase
Losing phase は、ギャンブルにより損失が大きくなっていく段階です。
ギャンブルは、ビギナーズラックがあったとしても、そうそう勝てるものではありません。
ビギナーズラックの快感が忘れられず、常に次の勝利への期待がでてきて、どんどんエスカレートしていってしまいますが、どんどんと負けがこみ、負債が増大していってしまい、借金をするようになります。
このころになると、ギャンブルへののめり込みを隠したり、資金を得るためにウソをつくようになったりします。
Desperation phase
Desperation phase は自暴自棄の段階です。
この段階になると、かなりの借金になっているにも関わらず、熱狂的にギャンブルにはまり込んでいく段階です。
後悔や罪悪感があっても、それがさらにギャンブルへと駆り立てて行ってしまうという負のスパイラルに陥ってしまっています。
当然、借金は返済できず、小さなウソをつくどころか、詐欺や横領などの非合法的な行為に手を染めてしまったり、抑うつ症状になったりします。
Hopeless phase
Hopeless phase は絶望的な段階で、もうここまでくると、すでに多くを犠牲にしてギャンブルなんかできる状況ではないにもかかわらず、やめられなくなっているので、人生が破綻してしまいます。
ギャンブル依存で大切なこと
ギャンブル依存の治療で一番大切なことは、まずはギャンブル依存によって自他に不利益が生じていることを自覚することが大切です。
きちんと治療を受けようという意欲が持てるような動機付けが大切になってきます。