ネットでの炎上は、大小の差こそあれ、毎日起こっているといっても過言ではないと思います。
特に、有名人の不適切発言やスキャンダルなどがあったら、もうハチの巣をつついたような状態になってしまうこともあります。
批判の過激化
不適切発言やスキャンダルの他にも、バイトテロの動画をアップしたり、企業や公務員が不祥事をしたり、今やSNSの拡散力で、こういったことが事件になると、たちまち多くの人が知ることになり、そして本人や企業のアカウントには、大量の非難が寄せられます。
本当に当のご本人ならまだしも、なぜか間違った情報により、人違いで何も悪いことをしていないのに避難されてしまうといったことも起こってしまいます。
SNSで拡散し批判が殺到してくると、だんだんとその批判が過激化していく傾向があります。
やって行為に対しての批判ならともかく、その相手の人格をも否定するようなものから、差別的な発言がでたり、罵詈雑言が飛び交います。
集団極化・沈黙の螺旋・集団的浅慮
なぜ、ネットがすぐに炎上してしまうのかについては、いろいろな要因が考えられます。
ネットでは、自分と同意見の人を見つけやすいので、人は自分と同意見のみを見聞きする傾向になります。
そうすることで、集団極化が起こってきて、みんなも同じ意見だというふうになり、「そうだ! そうだ!」となって過激化していきます。
そして、集団でリスキーな意見の人が多ければ多いほど、その集団での意思決定もよりリスキーになっていき、意見がどんどん過激化していってしまいます。
さらに、沈黙の螺旋といって、多くの人が批判を始めると、「ちょっと違うと思うけど」と擁護した人も、自分が逆にそれで批判されてしまうのをおそれ、黙ってしまいます。
さらには、集団的浅慮で、みんなも同じなんだからと、あまりじっくり調べたり考えたりしないで多数の波に乗っかり、反対意見にを軽視してしまう人も出てきます。
社会比較説
特に日本人は周りを気にする国民と言われていて、みんなと同じでいることで安心感を覚えたりします。
ネットをみていて、他者の多くの人が自分と同じ意見であれば、自分の意見に自信を持つようになり、その考えがより強化されていきます。
ネットでは、自分と同意見の人の情報を集める傾向にあるので、余計にそうした情報のみを集めることにより、自分の意見に自信を持ちやすくなるのです。
ネットでは、自分と同意見の人の情報を集めやすい環境であるがために、集団極化や社会比較、集団的浅慮が起きやすく、これらが複合的に合わさること、さらにそこにインターネットの匿名性も加わり、炎上が激化しやすくなっているのです。