ヒトは誰でもアイヒマンになりうるもの | 薬剤師トピックス

人間は権威に服従しがちで弱いもの。だからこそ、半沢直樹みたいなドラマがヒットするのかもしれません。

権威に関しての実験についてご紹介していきます。

アイヒマン

アイヒマンとは、ナチスドイツの政権下において、ユダヤ人の強制収容所移送の指導的立場にあった人物、アドルフ・アイヒマンです。

アイヒマンは、40万人ものユダヤ系ハンガリー人を列車輸送してアウシュヴィッツのガス室に送り、さらにドイツの敗色が濃くなり親衛隊全国指導者のハインリヒ・ヒムラーはユダヤ人虐殺の停止を命令したにもかかわらず、それに従わずハンガリーで任務を続けた。

アイヒマン実験

そこで、人間は誰でも、このような残忍な行為をしたアイヒマンのようになってしまうのかということで、アイヒマン実験というものが行われました。

アイヒマン実験とは、アメリカ、イェール大学の心理学者、スタンリー・ミルグラムが行った服従実験とも呼ばれるものです。

参加者は、『学習における懲罰の効果に関する研究』という名目で集められます。
それで、参加者は、教師役1名、生徒役1名のペアになって、別々の部屋で、お互いの姿は見えないが声は聞こえる状況にされます。

そして、教師役には、生徒役が出題された問題を間違うたびに電気ショックを与えるように命令されます。
電流は、軽微なものから命の危険まであるものまで30段階設定されていて、生徒役が間違うたびに、より高い電流を流すよう教師役は命令されます。

間違えるたびに、どんどん電流は強くなり、やがて生徒役の悲鳴は大きくなり「もうヤメテくれ!」と懇願するようになりますが、教師役には、それでも続行するように命令が下されます。

その結果、教師役の40人中、26人が、さいだいの450ボルト、つまり命の危険があるまで電流を流し続けたのです。

今では、こんな実験はとても許されない実験ですが、びっくりです。

アイヒマン実験からわかったこと

教師役は、命令を拒否しても別に何か罰則があるわけでもなかったのですが、半数以上の人が命令に従い続けました。

別途、一般人40人に、実験終了時の最大電圧を良そうしてもらったところ、全員315ボルト以下でした。

つまり、頭ではそんなにひどい懲罰は加えないだろうと思っていても、いざ権威に命令されると、言われるがままに従ってしまうという人間の性格がでてしまっています。

権威に命令されると、人はどこまで服従するのかの実験ですが、なんとも人間は権威に弱いものなのかというのが立証されてしまった実験でした。

ヒトは誰でもアイヒマンになりえてしまうのかもしれません。

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