会社の中で企画書を作り、社内の会議で話をしたり、取引先でプレゼンをしたり、とにかく営業で製品やサービスを売り込まなければならない、あるいは相手にこちらの伝えたいことをしっかり伝えなければならない時もあると思います。
相手に伝えるべき情報をきちんと確実に伝え、相手の心をイエスに誘導するというのは、営業マンはもちろん、接客を行うときや企画マンにも必要とされる技術です。
悪いプレゼン
悪いプレゼンとは、結局何が言いたいのかわからないというものです。
「何が重要なポイントだったんだかよくわからない」
「長々と丁寧に説明してくれたのはいいんだが、その割には製品の特長が印象に残っていないんだよね」
もし、こんなふうに思われていたのであれば、そのプレゼンは失敗になるでしょう。
なぜならば、イエス・ノーの判断以前に、その段階まで言っておらず、したがってビジネスも始まらないからです。
プレゼン力を鍛えるヒントは深夜通販番組にあり
最近、夜中にテレビをつけるとよく深夜通販番組をやってみます。
1回の番組で、1つの商品を何度も何度も紹介されていたりします。
30分とか1時間の番組の中で、ことあるごとに、その商品情報や価格が繰り返され、何分間かおきに問い合わせの番号が表示されます。
プレゼンでは、相手に伝えたいことを正確にきちんと伝えるということが大切ですが、まさに深夜通販番組はそれに沿った作りになっています。
深夜通販番組で視聴者に伝えたいのは
- 商品とその特徴
- 商品の価格
- お問い合わせ先
これだけです。
そして、このポイントを延々と30分~1時間もある番組の中でしつこいぐらい繰り返しているのです。
見ている視聴者は、
そんなにいい製品なんだ
へぇー、お買い得だね
連絡先はここか、ちょっと考えてみようかな
うーん、こんなことにも使えるのか、便利そうだな
そう考えるとやっぱり安いよね
連作先、メモっておこう
へぇ、使用者の評判もなかなかいいみたいだな
ええ、今ならおまけもついてくるのか
今から30分以内? これは電話するしかないな!
視聴者の思考回路はどんどん、このように誘導されていくのです。
情報は回数を多く提示するほど、より相手の脳に焼き付けられていきます。
人によって響く点が違いますので、同じ情報を違った視点や見せ方で、繰り返していくのです。
機能の充実を説明したり、メカニズムで理詰めに説明したり、使用者の感想で納得させたり、このように見せ方を変えて繰り返していくのです。
渡鬼で使われているプレゼンに通じる高級テクニック
今や国民的家庭ドラマとも言える『渡る世間は鬼ばかり』を知らない人はあまりいないでしょう。
見たことはないという人でも、名前ぐらいは話しとして聞いていると思います。
その「渡る世間は鬼ばかり」の脚本家である蓮田寿賀子さんは次のように言っておられます。
その後の展開の伏線となる重要なセリフは、言い方、言う状況、そして言う人をかえて必ず3回言わせるようにしています。
このように、意識的に、しかも見せ方を変えて繰り替えすことで視聴者の記憶の片隅に残し、あとになって、ああ、あそこは複線になっていたんだと気づかせるのです。
深夜通販番組や渡鬼から学ぶプレゼンの極意とは
絶対にこれだけは伝えたいという重要情報をひとつに絞り込む
それ以外の情報は、捨てるぐらいの勇気をもつ
ひとつの企画書に3~10回ぐらい、自然に登場するようにその言葉を入れる
つまり、どうしても伝えたい内容をしぼり、それを表現を変えて繰り返すということになります。