芸能人が大麻や覚せい剤などで捕まったという話題が忘れたころに持ち上がりますが、ワイドショーなどをみていると随分と長い期間、目星をつけて貼り込んで調査していたといったことが言われています。
薬物の流れをつきとめるために、接触者などをチェックしているということもありますし、空振りに終わる可能性も慎重に見極めながら、操作のタイミングが計られます。
薬物犯罪調査の難しさ
薬物犯罪の難しさは、薬物の所持や使用の証明が必要となります。
タレコミもガセの場合がありますし、たまたまその時は所持していなかった場合で、乗り込んだ先にも薬物がなかったというようなことがないように、特に芸能人など世間に大きな影響を与えるような人の場合は、より慎重に操作が極秘のうちに進められていきます。
何日も何日も、行動を把握し、確実に所持しているなとされる日に調査に入るようです。
薬物犯罪は、薬物の所持や使用の証明が必要となるのですが、押収物があったとしても、その押収物が本当に薬物なのかどうかの確認が必要になります。
さらには、逮捕者が実際に薬物を使用しているかどうかの確認が必要となります。
まずは簡易なスクリーニング
薬物の使用が疑われる場合は、まずは予備検査にあたる簡易なスクリーニングテストが行われます。
薬物も多くの種類がありますが、スクリーニングテストでは、規制薬物使用の有無をざっと一括でできる簡易検査になっていて、このスクリーニングテストで陽性となった場合は、確認検査が行われます。
確認検査では一般的には尿が採取され検査されますが、ケースによっては唾液や毛髪、汗などが検査されたりします。
もし、尿中から薬物が検出されれば、おおよそ5日以内に薬物を使用していたとされます。
もちろん、摂取期間や量によって、検出される薬物量は変わってきます。
毛髪で薬物検査をするメリット
毛髪の場合は、数年間の単位で過去の薬物服用歴を推定することができます。
あわてて薬物を止めても、毛髪にはでてきてしまいます。
よく薬物を使用している人が、捕まりそうになったときに頭を丸坊主にするなんていうことをやったりしますが、あれは毛髪による試験をおそれての行動になります。
毛髪の場合は、だいたい1か月で1cm伸びるので、毛髪を分割して分析すると、薬物の使用頻度や、おおよその使用期間まで推定できてしまうのです。
そんな髪の毛なんかに含まれている薬物の量なんて微量で検出できるのかと思われますが、確認試験は、ガスクロマトグラフィーによる分析が行われます。
最新の分析機器で検査すると、ng単位つまり10億分の1グラムレベルの単位で薬物の検出が可能になっています。
ただ、最近は危険ドラッグなど、規制対象の薬物がどんどん増えてしまっていることから、分析も難しくなってきて細心の注意が必要となってきています。
警察や通称マトリと呼ばれる厚生労働省地方厚生局麻薬取締部に鑑定室があり、薬物の検査・鑑定が行われています。
そのマトリは、約半数が薬剤師と言われています。