交渉に役立つロー・ボール技法とは | 薬剤師トピックス

ビジネスにおいて、相手にこちらの要求をのんでもらいたい、こちらの思うように動いてもらいたいというシーンは結構あります。

こうした時、相手とのやり取りの技術によって、結果が大きく違ってきたりすることもあります。

交渉の技術はビジネスだけとは限らない

よくビジネス書に書かれているようなテクニックについては、もちろんビジネスの交渉の場面で役に立つのですが、人間と人間の間の関係のことと考えれば、恋愛などにも応用できるものです。

ビジネスにおいて、仕事の質というのは非常に大切なものですが、仕事をしているのは人間ですので、やはり人間と人間のつながりというものは、仕事を受発注するときには大きな要素になってきます。

仕事なのでビジネスライクに損得や仕事の質で決めて割り切るという考えであったとしても、もし損得勘定や仕事の質が近いレベルであった場合は、最後にものをいうのは人間関係というケースはよくあることです。

恋愛でよく使われているロー・ボール技法

もし、あなたが意中の彼氏もしくは彼女に思いを告げようとする場合に、どうするでしょうか。
過去の経歴や年収、家柄などを事細かに伝えようとはしないと思います。

もちろん、そうしたことを大事に思う人も多いと思いますが、最初からいきなりそんな話をする人はあまりいないでしょう。

最初は、まずは「自分はこんな魅力的な人間なんだよ」と相手に気に入られようと自分の長所だけをアピールするのが普通だと思います。
こうしたアピールは、ロー・ボール技法と呼ばれています。

『ロー・ボール技法』とはどういうことかというと、その言葉どおり『ロー・ボール』は、ハードルが低き球です。つまり相手がとりやすい球ということになります。

最初のうちは相手のキャッチしやすいロー・ボールを投げていけば、そのうち変化球やハイ・ボールを投げたとしても、相手がキャッチしてくれるというものです。

ビジネスでのロー・ボール技法

つまり、『ロー・ボール技法』は、最初受け入れやすい依頼を相手にのませて、後から条件を釣り上げていくという交渉テクニックになります。

これは、姑息な手段で儲けようとする商売人がよくやる手口です。
居酒屋などでよく「コース料理+飲み放題で3000円!」などというチラシがあったりします。
実際に行ってみると、店員がやってきて「実はあと+1000円するとソフトドリンクとカクテルも飲み放題になりますよ。」みたいなことを言ってきたりします。

つまり最初のチラシで席に着かせてから、追加の条件を出してくるのです。

もちろん、度が過ぎると詐欺になってしまいますが、こうした手法や何も居酒屋だけでなく、あちこちでやられています。

アメリカで行われた実験で、「朝7時に研究室にきて実験に協力してほしい」と依頼したところ、31%の学生が引き受けたという結果がでています。
一方、先に「心理実験に参加してほしい」と頼み、その了承がとれた後に「朝7時に研究室へ来てください。」と伝えた場合、56%の学生がOKだったのです。

このケースでは、単に「心理実験に参加してほしい」というロー・ボールを投げておき、追加で「朝7時に研究室へ来てください。」としています。

人間は、自分のした決定に責任をとろうとするものです。
それなので、最初にロー・ボールを投げた方がOKしてもらえる率が上がったのです。

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