国際生活機能分類(ICF)とは | 薬剤師トピックス

障害者福祉を考える場合、リハビリテーションノーマライゼーションという言葉があります。

リハビリテーションとは、障害を持っている人を身体的、心理的、あるいは社会・職業的に可能な限りのレベルまでにしていく訓練になります。

ノーマライゼーションとは、障害者が一般の市民と同じ環境において、同じ条件下で、家庭や地域でともに生活することを目指す概念になります。

障害者福祉は、このノーマライゼーションの理念に基づいて展開されます。

障害者福祉を考える上での疾病・障害

障害者福祉を考える場合、疾病や障害の評価というものが非常に大切になってきます。

従来は、障害者のみを対象としたものになっていました。が国際生活機能分類(ICF)という概念が登場してきました。

国際生活機能分類(ICF)

国際生活機能分類は、ICFと略され、これは International Classification of Functioning の頭文字を取ったものになっています。

国際生活機能分類(ICF)は、すべての人を対象として、マイナス面である障害、プラス面である健康な状態の両面から、個人個人の健康状態の構成要素を評価する分類になっています。

国際生活機能分類(ICF)における障害とは、「心身機能・身体構造」・「活動」・「参加」という3つの生活機能に支障をきたすこととされています。

これらは、「機能障害」・「活動制限」・「参加制約」と呼ばれています。

国際生活機能分類(ICF)の具体内容

国際生活機能分類(ICF)では、健康状態の構成要素に影響を与える背景因子を考慮していて、その背景因子は個人因子と環境因子に分かれ、障害を心身の問題だけでなく、物的・社会的環境との関わりからとらえるといった考え方になっています。

『心身機能・身体構造』(body / functions, body / structures)の障害としては、構造障害を含む機能障害(impairments)で、例えば、手足が麻痺をしているといったようなことが該当します。

『活動』(activity)の障害としては、活動制限(activity limitations)で、手足が麻痺していることによって歩けないといったことが該当します。

『参加』(participation)の障害としては、参加制約(participation restrictions)で、手足が麻痺して歩けないことから通勤できずに働けないといったことになってきます。

これに対して、背景因子がいろいろと影響を与えてきていて、個人因子としては、年齢や性別、意欲などがあげられ、環境因子としては、車いすなどの福祉機器や、バリアフリー環境などがあげられます。

機能障害があるから、活動制限や参加制約が起こってくるというイメージがありますが、機能障害がなくても、活動制限や参加制約は起こってきます。

例えば、精神疾患から回復して、機能障害はないものの、環境因子として周囲の偏見があって就職できないとなれば、参加制約になります。

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