人間は権威に弱い | 薬剤師トピックス

「脳梗塞は冬よりも夏に多い」というようなことを言われたとき、言っていたのが子供であった場合、普通の友達であった場合、医療関係者であった場合、その受け取り方は変わってきたりするものです。

同じことを言われても信憑性が違ってしまう

寒い冬の時期は血圧が高くなるので冬には脳梗塞が多いだろうという固定概念を持っていればなおさら子供や自分の一般の友達が言ったのでは、「それはウソだろう」となってしまいます。

一方、言った相手が医療関係者であれば、「そうなのか・・・」となります。

ちなみに、夏は大量の発汗によって脱水症状になりやすく、血液の粘性が高まりやすいので、血管が詰まりやすくなり脳梗塞も起こりやすいので、脳梗塞は冬より夏のようが多発するというのが本当のところです。

同じことを言われても信憑性が違ってしまう

テレビ番組で、ある有名店の料理ということで出したものを食べさせて味を評価するというものがありました。

実際の料理は、コンビニでも売っているような駄菓子を材料に使ったり、インスタント食品を使ったりして、それを有名店の料理に似せて作ってしまうというものなのですが、その料理を食べた人は、実際には駄菓子やインスタント食品でできているにもかかわらず、さすが、有名店の味だねというようなコメントをしたりしています。

あまり人を騙すというのはよくないことですが、グルメを自称している人がコロリと騙されてしまっているところを見るとクスリと笑ってしまいます。

このように実際に権威に弱いという人は少なくありません。
最初は疑っていても、これは有名人もお墨付きなんだと一言添えるだけで、急に信憑性がでてきて説得力が増してしまったりするものです。

虎の威を借る狐のハロー効果

日本の古いことわざに『虎の威を借る狐』というものがあります。これは、他人の権勢をかさに着て威張る小人のたとえですが、心理学的には、『ハロー効果: halo effect』というものがあります。

これは、社会心理学の用語で、ある対象を評価する時に、それが持つ顕著な特徴に引きずられて他の特徴についての評価が歪められる現象を言います。
認知バイアスで、後光効果、ハローエラーとも言われています。

ハロー効果を利用した交渉

相手に説得性を増して説明したいとき、「専門家の○○さんが言っていたんだけど・・・」とか、「○○大学の教授の研究なんだけど・・・」とか、「有名な著書にも書いてあったんだけど・・・」というような言葉を一言剃れるだけで、信用度がぐんとアップし、説得力が増します。

もちろんウソはいけませんが、事実であれば、こういった威光を借りると説得力が増すものです。

もし自分の意見や考え方では相手が信用したり納得したりしてくれそうもない場合、あらかじめ高名な専門家や著名人の意見や発言などを調べておいて、それを盛り込むと交渉が成功する確率があがります。

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