野村総合研究所の試算によると、今後ロボットに49%の人が仕事を奪われるとしています。
10~20年の間にロボットやAIに奪われる仕事は235種類となり、これは全労働人口の49%の人がロボットに代替されることになるというのです。
オックスフォード大学のマイケル・オズボーン准教授も同様に、AIによって現在ある職業の半分近くが消滅するとしています。
実際にAIなどに変わられている現場
すでにスーパーなどでは、セルフレジを導入しているところもあり、レジ打ちの人たちの雇用が消えているわけです。
ハンバーをはずして購入した商品を箱の中にいれると、あとは機械が勝手に読み取ってくれて総額が表示されるのです。
いちいちレジ打ち係の人が、1品1品スキャンする必要がありません。
打ち間違いなどのミスもなく、レジの処理スピードも各段とアップします。
こうした機械が低価格で提供できるようになれば、こうしたスーパーが増えていくでしょう。
カメラの顔認識能力をつかって、顧客リストと紐づけを行い、ビッグデータの中からこのお客さんは前回この商品を買っていて、今回はこの商品を購入する確率が高いという結果が表示され、販売員がその商品を手に取りアプローチするといったことも行われています。
人間がやるよりも、はるかに正確で効率が良い営業ができ、いわば働く人間は迷惑というような時代がそこまでやってきてるのかもしれません。
AIとの共存
そこで重要になってくるのが、いかにAIとの共存をしていくのかということです。
医療現場の例として、東京大学医科学研究所の例をご紹介します。
東京大学医科学研究所では、IBMのワトソンというAIを導入して、そこのい2000万本以上の論文と1500万件以上の薬剤関連情報を学習させました。
そもそも、これを学習させたのは人間です。
これにより、希少な疾患も見つけられるようになりました。
ある女性が極めて稀な白血病になっていることを、このワトソンというAIはたったの10分で見抜きました。
その後、医師が治療薬を変更したことで、この女性の症状は改善していき退院するまでに回復したのです。
これを人間が行うと大変です。
患者の症状から病名を判定し、適切な薬などの判断を下すとなると、膨大な量の過去の症例や遺伝情報、医学論文を参考にしなければならず、そこにさらに日々進歩する新しい医療情報や治療技術、新薬などもおさえていなければなりません。
どんなに優れた医師であっても、一人でこれだけのことをやるのは物理的に不可能でしょう。
このように、ビッグデータの蓄積と解析はAIの得意分野です。
AIのワトソンが10分で行ったことと同じことを人間がやったとすれば、二週間かかるといわれています。
AIの限界と人間との共存
どんなにビッグデータの蓄積と解析の解析にすぐれているAIでも、所詮はAIです。
AIができるのは、疾患の可能性や、治療薬の候補をあげ、その可能性を確立で示すところまでです。
最終的には、AIが提示したものに対して、どの治療薬を使っていくのかといった最終判断は医師が行います。
その分、医師は患者とのコミュニケーションを図ったり、自分の論文を書いたり、論文を読んで知識を蓄えたりといったことに時間が使えるようになるのです。