仕事や勉強の効率は、他人がいると上がるのか下がるのか | 薬剤師トピックス

周りに自分以外の人がいることで作業効率が変わってくるということがあります。

自分以外の人が周りにいると、なんかやる気がでてきて作業効率が高まるという人がいます。

糸巻きの実験

釣り糸を巻くリールを改造して、糸巻き機を作り、それで一定の長さの糸を巻くという単純作業を行った場合、一人で巻くよりも、二人で巻いたほうがスピードが速くなるという実験結果がでています。

これは、社会心理学的には『社会的促進』と呼ばれています。

一人で退屈な作業を繰り返していると集中力がなくなってきてしまいますが、二人並んで作業を行うことで、お互いに仕事量で負けられないと張り合ってしまったり、張り合うまではいかなくても、相手よりもあまりにもやった仕事量が少ないと、なんかさぼってたみたいで、そう思われるのがイヤだから一生懸命やるという部分はあると思います。

本当に一人より二人のほうが効率がアップするのか

しかし、自分以外の人間が周りにいれば、必ず仕事の効率などがアップするとも限りません。

例えば、会社でプレゼンをする場合、周りに他者がいれば、そのことで緊張してしまったり、気になってしまいうまくプレゼンができないといった場合があります。

このように、他者が存在することで作用の質や量が低下してしまう現象を、社会心理学的には『社会的抑制』と読んでいます。

つまり、『社会的促進』も『社会的抑制』も両方の言葉が存在しているとおり、どちらも起こり得るということになります。

『社会的促進』と『社会的抑制』を分けるもの

それでは、なぜ他人がいると仕事の効率がはかどる場合もあるし、かえって効率が下がる場合もあるのでしょうか。

この疑問に対し、ポーランド生まれのアメリカ合衆国の社会心理学者であるロバート・ザイアンスは、個人の習得度にその鍵はあると結論づけています。

つまり、仕事や作業、物事に対して慣れていれば、社会的促進が起こり、慣れていなければ、社会的抑制が起こります。

たとえば、プレゼンでも慣れていれば、自信があるので他人がいるとむしろ張り切ってできますが、慣れておらず自信がなければ、他人が気になってしまい集中できなかったり、緊張してしまったりして作業効率が落ちてしまうのです。

効率が上がるのと落ちてしまうのでは天と地との差になってしまいます。

他人と仕事をしたほうが効率があがる、他人と仕事を一緒にしても効率を下げないで行えるにようにするためには、その仕事や作業を経験して慣れたり、知識を高めることで自信をつけたりする必要があるのかもしれません。

また、自信が持てるかどうかということからいうと、その個人個人の性格によるところも影響してくるのかもしれません。

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