体重60kgの人は、月に行くと何kg? | 薬剤師トピックス

体重60kgの人が、月に行ったとすると体重は何kgになるでしょうか?

最初に答えを言ってしまうと、60kg、つまり変わらずということになります。

月の引力は地球の引力の1/6だから10kg?

体重60kgの人だったら、月に行ったら体重は10kgになるんじゃないのと思った人もいるかもしれません。

これは、月の引力が地球の1/6だから、60kgの1/6で10kgと考えたのだと思います。

月は、その大きさは地球の約1/4になっていて、重さは地球の約1/100になっています。

ここで役に立つのが、高校の物理で習ったニュートンの第2法則です。

「物体が受ける力は、物体の重さと加速度をかけたものになる」というもので、これを力の大きさをF、重さをm、加速度をaとして式で表すと

F=m×a

となります。

そして、万有引力の法則というものもあります。

「物体同士が受ける力は互いの質量に比例し、距離の二乗に反比例する」というもので、質量mの物体と質量Mの物体が、距離Rだけ離れているとき、互いに働く引力の強さFは、万有引力定数をGとすると、

F=G×M×m÷R÷R

となります。

すると、

月の引力=(万有引力定数)×(月の質量)×(物体の質量)÷(月の半径)÷(月の半径)

になります。

同様に

地球の引力=(万有引力定数)×(地球の質量)×(物体の質量)÷(地球の半径)÷(地球の半径)

になります。

そこで、(月の引力/地球の引力)を計算すると、約0.16となるので、月の引力は地球の引力の1/6となります。

月に行ったら体重が減るんじゃないの?

月にいったら、みんなピョンピョン軽そうに飛び跳ねているし、国際宇宙ステーションの中では、乗員が船内をフワフワ漂っているし、無重力状態って言うじゃないと思うかもしれません。

しかし、国際宇宙ステーションの中は、無重力状態という言い方は正しくありません。

正確に言うと、無重量状態なのです。

太陽や地球や月からの重力は、ロケットの機体も、中にいる乗員の体も、ロケット内の搭載機器も常に引っ張っているので、重力がなくなった状態ではないのです。

重力に従って運動してるだけであり、物体や乗員が重力に従って運動をするとき、物体も乗員も自分に重力がかかっているのかどうか知覚できなくなるのです。

遊園地でジェットコースターなどのアトラクションになると、落下する時に一瞬ですが重力に引かれていることを感じなくなる瞬間があります。

もちろんこのときも、体重60kgの人であれば、体重60kgのままで変わっていないのです。

重力と質量

質量は物体の量を指し、kgで測定されます。

体重60kgの人の質量と言えば、60kgになりますし、水1Lの質量といえば1kgになります。

重量は、物体に働く重力を指します。

重量は重力が増えたり減ったりすると変化してきます。
月に行くと、重力が地球の1/6と弱くなるので、人は体重が小さくなったと感じます。

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