商標権は、特許権、実用新案権、意匠権とともに工業所有権の一つで、商標法によって運用されていて、経済産業省の特許庁が管轄官庁になっています。
商標権の意義
世の中にはいろいろな商品がありますが、特に日本人などはブランドやメーカーで商品を選ぶことも多いと思います。有名なものや評価が高いものを選んだりします。
たとえば、電気製品を買おうとしたとき、このメーカーのものを購入しておけば間違いないだろう、このブランドなら大丈夫だという信頼感がそこにあります。
もし、そのメーカーと全く関係がない会社が、そのメーカーのブランドやマークを使用できてしまったら、消費者はそのブランド名やマークを信用して商品を購入してしまうことになります。
つまり、全然関係ない会社がそのブランドやマークを使い、品質が劣っているものを販売したら、品質が悪い商品を購入した消費者にとっては大きなデメリットですが、それ以上に、そのブランドに対する信用が落ち、結局は売れなくなり、勝手にブランド名やマークを使用されたメーカーは大きな痛手になってしまいます。
こんなことがないように、ブランドやマークが商標法によって、商標権という形で保護されています。
商標法での定義
商標法では、『商標』とは、「文字、図形若しくは記号若しくは立体的形状若しくはこれらの結合又はこれらと色彩との結合」のことを指します。
商標は、製品だけでなく、広告、金融、建築、通信、放送、輸送、宿泊、飲食業、撮影といったさまざまな分野でも認められています。
商標は、2000年1月1日に商標法が改正されて、出願された商標のすべてが公開されるようになっていて、特許庁のホームぺージで確認することができます。
防護標章とは
商標には、『防護標章』というものがあります。
これは、例えば、電機メーカーが事業を行っていない食品分野などで、商標を登録することを言います。
なぜ、そんなことをするのかというと、他の分野で自分たちの商標が使われないようにするためです。
もし、有名電気メーカーとはまったく関係がない食品メーカーがあり、その有名電気メーカーと同じブランドがついた食品を発売したとします。
すると消費者は、あの有名な電気メーカーが食品事業にも乗り出したのかと思ってしまいます。
そして、そのメーカーが販売する食品ならば大丈夫だろうということになってしまいます。
しかし、もしその商品の品質が悪ければ、勝手に食品にブランド名を使われた電気メーカーの信用は大きく傷つけられてしまいます。