塗り薬の塗り方って薬によって違う? | 薬剤師トピックス

塗り薬といっても、いろいろなものがあります。
軟膏剤、クリーム剤、ローション剤、液剤など、剤形だけみてもこれだけいろいろあります。
さらに成分を見てみると、ステロイド剤、痛み止め、かゆみ止め、殺菌剤、抗生物質、皮膚病薬といろいろな種類の塗り薬があります。

塗り薬のいろいろな塗り方

単純塗布法

塗り薬の塗り方で最も一般的なのが、単純塗布法です。
これは軟膏剤やクリーム剤を指の腹で薄く塗りひろげていく方法です。

筋肉痛になると、鎮痛成分が入った軟膏やクリームを塗ることがあると思いますが、この場合は、傷んでいる筋肉などの局部に薬が届くようにしっかりと擦り込むようにして塗る方が効果的です。

一方、ステロイド外用剤は、皮膚表面での作用、表面の肌での作用を期待しているので、あまり擦りこまずに、少し広めに薄く塗るのが一般的な塗り方です。

熱傷などの場合は、皮膚を保護するということもあるため、少し厚く塗ったりもします。

抗生物質の塗り薬の場合、指先に取り出してそのまま塗ってしまうのではなく、手の平や手の甲にいったん取ってから塗るようにすると、薬の容器への菌の付着を防ぐことができます。

皮膚表面に損傷がないときはクリーム剤、皮膚表面に損傷があるときは皮膚保護という点で軟膏剤がお奨めです

塗布する量としては、軟膏剤であれば、すこしテカテカする程度、クリーム剤であれば、白い色が消える程度を目安として良いでしょう。

もちろん薬やチューブの大きさによって違いますが、だいたいの目安としては、チューブから5mmほど出すと、直径5cm位の円の範囲を塗るといった感じです。

よく、軟膏やクリームをたっぷりつけている人がいますが、多量に塗れば効き目が良くなるというものではありません。皮膚と薬が接触している面は変わらないし、薬の濃度も同じであるからです。

重層法(重ね塗り)

単純塗布法に対して、重ね塗りをする場合があります。
ステロイド外用薬を塗布した後で、亜鉛化軟膏をリント布に厚く塗ったものをさらに上から貼付します。

こうした重層法を行うケースとしては、湿潤が高度の病変であったり、病変に亀裂がある場合などが考えられます。

ODT(密封包帯法)

皮膚からの経皮吸収を高めるために、塗り薬を塗った後に、ポリエチレンフィルムなどで覆うこともあり、これをODT(密封包帯法)と呼びます。

難治性の皮膚病など比較的重症の場合などは、こうしてODT療法が行われることがあります。
しっかりと密封し覆うことが大切です。

最新情報をチェックしよう!