自分のなりたい人間を演じる役者になろう | 薬剤師トピックス

私たちが周りとの関係を考えた時、家庭では、親と子の関係、学校では友達との関係、先生と生徒の関係、先輩と後輩の関係、職場に行くようになると上司と部下の関係、お客さんや取引先との関係など、いろいろと自分が置かれている立場が変わってくるものです。

そして、人間は自然とその立場に応じて、役割をこなしていくものなのです。

立場が人を変える

どうみても頼りなさそうな友人が、会社の管理職になったが、「本当に、コイツに務まるのだろうか」といった心配をする人がいます。

しかし、半年もすると、部下にテキパキと指示を出し、仕事をバリバリとこなしていたりするものです。

いい意味で、「アイツ、変わったな」と周りの評価も変わってくるものです。

例えば、結婚して子供ができてから、タバコをぴたりと止め、親らしくなったというようケースもそうですし、どうみても内気で話下手な人が、営業の仕事についてから、遮光的で世渡り上手になったりするケースもあります。

なんで立場によって人が変わるのか

中には、全然変わらない人もいますが、やはり立場によって人の性格が変わってくるのは、そうせざるを得ない事情があるからです。

例えば、自分自身に置き換えて、会社の取引先の人と話すときと、上司と話すときと、同僚と話すときと、部下と話すときと、全部まったく同じように接するという人は、あまりいないと思います。

しかも、それほど頭の中で意識せず、取引先の人と話すときは、物腰が柔らかくなり低姿勢になりますし、部下と話すときはどっしりと構えるようになったりします。

人によって態度を変えることはよくない事、誰に対しても同じように接するのが美徳のように言われますが、むしろ人によって態度が変わらない方が、むしろ不自然と言えるでしょう。
なぜならば、都合に合わせて、立場によって人は変わっていくものだからです。

どんなに人によって態度を変えないという人がいたとしても、友達と話すときと小さな子供と話すときでは、やはりしゃべり方や態度が変わっているものです。

役割効果

心理学では、『役割効果』という言葉があります。

『役割効果』とは、特定の地位や役割にある人が、どのような行動をとるべきかを自ら理解し、その地位や役割にふさわしいふるまいをすることを言います。

部長や課長であったとしても、先生であったとしても、後輩が入ってきて先輩になるにしても、そうした役割を与えられると、人間はいつのまにかその役割にふさわしくなるように、気持ちや行動を変えていく社会的動物なのです。

例えば、会社でも、仕事に対してあまり責任感がない社員に、あえてプロジェクトのリーダーを任せたりすると、最初はしどろもどろで自信がなさそうにやっていても、しだいにふるまいがしっかりとしてくる場合が多いのです。

いわば、役割を演じているといってもいいのですが、そうすることによって、自分自身の言動や仕事にも注意を払うようになっていき、意識が変わっていくのです。

なりたい自分を演じる役者になれ

多くの役者は、役にのめり込むといいます。

いろいろな役があると思いますが、本来の役者さんの素の性格とは真逆の役が回ってくることもあります。

しかし、役者さんは、本当にその真逆の性格であるかのようにうまく演技をします。

まるで、本当にその役の性格が、役者さんそのものの素の性格なんだなと思ってしまうぐらい迫真の演技で演じ切ります。

役割効果の説明をしましたが、逆の言い方をすると、『なりたい自分』がいれば、それを役者のように演じてみると良いのです。

つまり、自分が役者になって、なりたい自分を演じきってみるのです。

例えば、積極的な人間や自信がある人間になりたいと思っていたら、そういった人を演じるのです。
つまり、テキパキと行動したり、ハキハキとした話し方をしていくのです。

すると、周りの人は、「アイツはテキパキしてるな、ハキハキしているな」という評価になり、積極的な人間、自信がある人間という役割をあなたに求めるようになってきたりするものです。

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