広告にはいろいろな役割があって、商品やサービスの認知もその1つになります。
しかし、いくら消費者に認知してもらっても、それを買いたいという思いにさせ、実際に購入するという行動に移してもらわないと利益につながりません。
キラーフレーズはあれこれ書かない
広告というと、ついあれもこれもといろいろと書きたくなります。
商品やサービスの説明であれば、いろいろと詳細に書いてもいいのですが、実際にあと一押しとなるようなキラーフレーズは、端的に一言でいいのです。
売り手と買い手の視点というようなことがよく言われますが、売り手側の視点で、伝えたいことを書いても、買い手には響かないことがよくあります。
売り手側が何を伝えたいのかということをアピールしたくなってしまいますが、このキラーフレーズを読んだとき、買い手にどんな行動をしてほしいのかを考えると、それがそのまま買い手の行動に結びつきやすいのです。
売り手側の発想で、「お買い得だと伝えたい」というのではなく、買い手側の発想で「今買わないと損だ」といかに思わせるかが重要になってくるのです。
相手に想像させる
「あなたの思う世界最高の美女とは?」という質問をしたとします。
人間、それぞれ美女に対する定義や好み、思いも違うと思いますが、人それぞれ、世界最高の美女を想像したと思います。
楊貴妃やクレオパトラ、小野小町を連想した人もいるかもしれませんし、芸能人や女優を連想した人もいるかもしれません。
ハリウッド女優をイメージした人もいるかもしれませんし、自分の創造の中で、目がパッチリしていて鼻が高くて・・・というように理想の美女をイメージして頭の中で作り上げた人もいるかもしれません。
みんな人それぞれ、思っている人は違うけれど、それぞれの自分の世界最高の美女をイメージします。
つまり、余計な説明とかはいらず、これだけで、それぞれが自分なりの美女を連想してしまうのが人間なのです。
想像を駆り立て、イメージさせる言葉
オムツ売り場のコピーとしてこんなものがあります。
『今しか見れない姿、残しませんか?』
非常にうまいコピーだと思いますが、「オムツを買ってください」とも「カメラを買いましょう」とも言っていませんし、特に商品の説明をしているわけでもないのに、レジに向かう客のカゴには紙オムツや使い捨てカメラが入っているなんてことがあります。
なぜこうなるのかというと、人間は、受け取った情報が足りない場合、想像や予測で判断する習性があるからです。
もともともっている知識や体験という記憶があり、記憶に残りやすいものは強い感情を伴う出来事です。
そして、情報量が少ないコピーを見た時に、人間は自分にとって好ましい方向へ想像力を働かせやすいものなのです。