人間関係、意外と相手の印象に強く残るのが、第一印象と別れ際です。
どちらに重点を置いたら良いのでしょうか。
第一印象が大事
面接へのアドバイスとして、「第一印象が大事」だからねというようなことをよく言われます。
確かに、初対面の印象は強く記憶に残り、その人に対する印象を形成する上で、大きな影響を与えます。
第一印象が記憶の強く残ることは、『初頭効果』と呼ばれていて、人間の脳は、最初の情報が意識の中で大きな印象として残り、それが情報全体に対する感覚を支配してしまいます。
例えば、初対面で「やさしそうな人」と印象を受けると、「あの人はやさしい」という確固なイメージができあがります。
このためビジネスにおいては、最初にポジティブな情報を伝える手法が用いられたり、初回の接客は解くにていねいにするといったことが行われています。
「あの人はいい店員さん」という印象を第一印象で持つと、その後に「愛想がない」という第一印象とは違う情報が入ってきた場合、脳は「いい店員さん」という印象を変えるのが難しく、「きっと何か理由があるんだわ」と考えるのです。
最後が印象に残る
『初頭効果』とは逆に、『新近効果』というものがあります。
『新近効果』とは、最後に受けた情報が印象や記憶に強く影響を与えることを言います。
例えば、お店で買い物をしたときに、店を出るときていねいにお辞儀をされると、その店に対して好印象を持ったりするものです。
店を出る時に、丁寧にお辞儀をしたり挨拶をしたりという店も多いのですが、意識しているしていないにかかわらず、こうした『新近効果』があるのだと思います。
テレビで芸人さんがいろいろとネタを見せる番組がありますが、最初のころにネタを披露していた人よりも、最後に見たネタが印象に残っているということはよくあることです。
クライマックスは最後に
映画などを見ていると、ラストシーンにクライマックスをむかえるというものが多くあります。
これは『ピークエンド効果』と言われるもので、ただでさえ印象に残るクライマックスを、映画の最後に持ってくることで、より強く印象に残すというものです。
身近な例を出すと、おいしいラーメン屋さんがあるんだけど、長い行列に並ばなければならず、店に入るまでに2時間待って、疲れた後に美味しいラーメンにありつけ、それがおいしい楽しい思い出になるということがありますが、これも『エンドピーク効果』の一つと言えるでしょう。
さて、最初が肝心なのか、最後が大事なのかということに戻りますが、結論を言うと、最初も最後も強く印象に残りやすいため、どちらも大切と言えるのでしょう。