目先の満足を考えるせっかちの心理 | 薬剤師トピックス

人間は、時としてせっかちな行動をとってしまうことがあります。

つまり、長い目で見ないで目先の満足度を優先してしまうのです。

時間の経過とともに価値が割り引かれる

コロナ禍になって、給付金というものがあり、一律10万円もらえるとなったにもかかわらず、なかなか給付金が届かずにイライラしたという人もいたと思います。

人間の心理として、同じ給付金をもらえるにしても、すぐにもらえるのと、時間が経ってしまうのではありがたみや、満足度が全然違うのです。

ですから、なかなか給付金が配られるのに時間がかかったということは、もらう側の人間心理を考えれば、大失敗だり、給付金を配布するといった翌日には銀行に振り込まれているぐらいの体勢じゃないと、ありがたみも半減ということになってしまうのです。

10万円もらえるとなると、ほとんどの人が嬉しく感じると思いますが、その10万円は今ではなく1年後に渡しますと言われると、喜びは半減してしまうものです。

つまりこれは、どういうことかというと、今すぐにもらえる10万円のほうが、1年後にもらえる10マ年よりも価値が高いということで、時間の経過とともに価値が値引かれるのです。

時間で価値が値引かれるのは利息を考えばわかる

なぜ同じ10万円なのに、時間の経過とともに価値が値引かれてしまうのでしょうか。

それは、利息というものを考えればわかります。

現在10万円あり、1年間の金利が10%だとすると、それは1年後の11万円と同じ価値ということになります。

この場合、将来の価値は11万円、そして現在の価値は10万円となるわけですが、これを換算して割ると、それが割引率になります。

行動経済学の分野では、現在に近いほど割引率が高く、時間が経つほど割引率は低くなるという『双曲割引モデル』という理論があります。

これは、割引率をグラフで表すと、直線的な割引率が変化しないものではなく、近い将来では一気に低下し、長期になるほど傾きが緩やかになる、ちょうど反比例曲線のようなカーブを描きます。

わかりやすく言うと、今日もらえるはずだった10万円が3日後に延期になるとがっかりしますが、1年後に渡されるはずの10万円が1年と3日後に延期になると言われても、それほどはガッカリした気持ちにはならないということです。

同じ3日ですが、未来になればなるほど、その差を感じなくなるのです。

人により違うせっかち度

今度は、同じ10万円でなく、今すぐもらえる10万円と、1年後にもらえる11万円、どっちにするという選択肢がある場合、どちらの選択肢を選ぶかによってその人の割引率、つまりせっかち度がわかるのです。

つまり、この場合、今もらえる10万円が1年後に11万円になっているので、1年で金利10%となりますが、その人の感覚で、その金利が10%より高いか低いかによって、どちらを選ぶか選択肢が変わってくるのです。

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