統計の話をしていくと、比較的最初のほうに登場してくるのが平均です。
平均というと、それぞれの値を足して、その値の数で割れば平均がでてきますが、実は平均はそれだけでなないんです。
いろいろな平均の考え方
平均とは、読んで字のごとく「平ら(たいら)に均した(ならした)値」ということになります。
実は、平均値にはいくつかの種類があり、いろいろな視点で分類も変わってきます。
一般的なのが、単純に統計ででてきている値を足して、そのデータの数で割るといった『単純平均』です。
これに対して『加重平均』というものがあります。
『加重平均』はいわゆる『重み』をつけた平均値で、各項目の条件の違いを考慮して、それぞれの項目のもつ『重み』を加えてから平均値を計算するものです。
事例を出すと、株価の平均値ですが、企業の時価総額はそれぞれ異なるため、それを重みとしてそれぞれの株価に掛け合わせて平均値を割り出します。
平均値は、扱う項目によっても、『算術平均』や『幾何平均』、『調和平均』といったものがあります。
簡単な加重平均の例
例えば、ある食堂でA定食・B定食・C定食があり、その値段と売上をみると次のようになっていたとします。
A定食 600円 50個
B定食 700円 20個
C定食 800円 30個
この場合、1食当たりの平均単価が、加重平均になります。
(600×50)+(700×20)+(800×30)/(50+20+30)=680円
それぞれの価格が項目で、販売数が重みになって平均値が出ているのです。
算術平均・幾何平均・調和平均
『算術平均』は、すべての値の合計を、データ値の個数で割って計算したものになります。
例えば、10人の人の体重の平均値を求めるという場合に、それぞれ10人の体重を合計し、それをデータ値の個数、つまり10人で割った値が、算術平均になります。
この場合は、加重平均か非加重平均(単純平均)かというと、単純平均になっています。
『幾何平均』は、変化率の平均を計算するときに用いられます。
事例としては、ある企業の売上について、5年間の平均伸び率を求めるというのが、幾何平均になります。
幾何平均の計算方法としては、すべての伸び率を掛け算して、その累乗根を計算して算出します。
売上高の平均を求めるのが算術平均、その伸び率という変化率の平均を求めるのが幾何平均になります。
『調和平均』は、単位当たりの量の平均を求めるときに使います。
これだけだとわかりにくいので、具体例をあげると、自宅と職場を往復するとき、行きは時速10kmで走り、帰りは時速4kmで歩いて帰ったとします。
このときの往復の平均速度を求めるといった場合が、調和平均になります。
ちなみにこの場合は、速度の平均になるので計算方法は、会社から職場の距離を1とした場合、行きの速度は1/10、帰りの層度は1/4になり、往復ですので、1の2倍、つまり移動した距離は2になります。
したがって、2/(1/10+1/4)=時速5.7kmとなります。