仕事がうまくいかなかった時、「だから、言わんこっちゃない」、「いや~、実は失敗するかもとは思っていたよ。」などという上司がいます。
こんなことを言う上司を、部下はどう思っているのでしょうか。
理不尽上司は相手にされない
当然、普通の感覚でしたら、なんて理不尽なことをと思うでしょう。
一種のパワハラだと思っているかもしれません。
立場的に上の上司に向かって、「それは、パワハラだと思います。」とか、「ずいぶん理不尽ですよね。」という部下はあまりいないでしょう。
顔ではニコニコして、こんな上司についていったら大変だと心の中ではバッサリ切り捨ててます。
きっと心の中ではこのように猛反発していることでしょう。
「言わんこっちゃないって・・・、あんた事前にちゃんと何かアドバイスしたっけ?」
「失敗するのわかったんだったら、その前にちゃんと言って指導しろよ!、それが上司のあんたの仕事だろ!」
なぜ後出しジャンケンをするのか
結局、上司の後出しジャンケンですが、起こってしまったことを批判しているだけで、これなら小学生でもできます。
どう解決策をみつけていこうかというのではなく、文句を並べるだけです。
しかも、さも最初からそうなることはわかっていたとでも言いたげな顔、仕事を任せたのは自分だということも棚にあげてとんでもありません。
これは、心理学的には、『後知恵バイアス』と呼ばれるものです。
『後知恵バイアス』とは
『後知恵バイアス』とは、何か物事が起こった後で、「そうなると思ったよ」と、まるで自分がすべてを見通していたかのような言動をしてしまう心理的傾向になります。
こういう言動をする人は、相手の失敗をあげつらい、ダメ人間の烙印を押すことで満足感や優越感に浸っているのです。
しかも、こうした上司たちは、自分が批判するのは当然で、それが部下のためにもなると勝手に思い込んでいたりするので、よりたちが悪いのです。
部下のために注意をしてあげているんだということですが、であれば、失敗する前にアドバイスをくれたり、失敗したあとの後処理を一緒に考えてくださいよとなるわけです。
後知恵バイアスにより、優越感が得られ、自分が優秀で有能な人間であると勘違いしてしまっているのです。
普通は、自分が嫌な思いをしたら、それを反面教師にして、自分はそうならないようにと思うものですが、この後知恵バイアスについては、人間の性格なのか伝染性があり、部下からその後輩へと被害者は広がっていく可能性も大きいのだそうです。