電波時計は、電波を受信して、正確な時を刻む時計で、常にズレた時間を自動修正しています。
時間の基準
正確な時間を刻むという前に、時間には標準で決められたものがあります。
世界の標準時間となっているのが、イギリスのロンドン郊外にある経度0度のグリニッジ天文台で、ここを通る子午線上を太陽が通る平均時刻を正午としています。
日本では、これをもとにして、独立行政法人情報通信研究機構が、日本標準時間を決めて、標準電波送信所から電波で時刻を発信しています。
私達が手にしている電波時計は、この標準電波送信所から発信された電波を受信して、正確な時を刻んでいることになります。

電波時計の仕組み
電波時計は、ソーラーセルがあり、太陽の光エネルギーを電気に変えられ、さらに内臓された充電式電池によいソーラーセルで発電されたエネルギーが蓄えられます。
電波時計に内臓されたアンテナで、電波送信所から送られてくる標準電波をキャッチし動して、その電波が時刻情報に変換され、時計本体のモニターに伝わり、時刻が自動修正されることで、常に正確な時間を刻むことができます。
日本標準時は、情報津伸研究機構の原子時計によって決められていて、福島県の大鷹鳥谷山(おおたかとややま)と、佐賀県と福岡県の県境にある羽金山(はがねやま)にある標準電波送信所から全国にある電波時計に送信されています。
原子時計は、1955年に初めて実用化され誤差が10万年に1秒という高精度の時計です。
電波時計のシステム自体は、1970年の大阪万国博覧会の会場で世界で初めて採用されていましたが、製品化されたのは、それから15年後の1985年でした。
なぜ日本に2カ所あるのかというと、電波の届く範囲が半径約1000kmだからで、電波時計に内臓されたアンテナがこの電波を1日1回、決められた時間に自動受信するようになっていて、それを解析し時刻を自動調整しています。
電波はほぼ24時間ずっと継続して受信されているのですが、落雷などにより中断することもあります。
常に電波を受信しているわけではない
電波時計は誤差を自動修正する機能があり、夏時間やうるう秒によるずれも自動的に修正されます。
その誤差は、10万年に1秒とも言われるほど正確です。
電波時計といっても、常に電波を受信しているわけではありません。
ビル内や地下街などでは、電波が受信しにくくなり時間がずれる場合もあります。
もっとも強固な鉄筋コンクリートなどの建物の中でも受信できるようになってきますが、雑音の影響などで時刻がずれる場合もあります。
しかし、内蔵されたクォーツによって時刻は修正されるのです。