お金があれば、何でもできると思っている人も多いと思います。
でもそんなことはありません。
目の前の幸福に気づくことが大切
ドイツの詩人、劇作家、小説家、自然科学者、政治家、法律家といろいろな顔をもつゲーテは、次のような言葉を残しています。
「なぜ、遠くへばかり行こうとするのか。見よ、よきものは身近にあるものを。ただ幸福のつかみ方を学べばよいのだ。幸福はいつも目の前にあるのだ。」
私達の生活は、幸福で満ち溢れています。
多くの人は、デートで食事をしたり、家族で温泉にでかけたり、普段とは違った非日常的な経験をすることで幸せと感じていたりします。
もちろん幸せなことですが、こうした時にだけ幸せを感じられないというのであれば危険かもしれません。
今、この瞬間も幸せなはずです。
なぜなら、生きているじゃないですか。
朝目が覚める幸せ、夜に自分のベッドで寝られること、食事ができること、これだけでもとても有難いことですし、幸せなことです。
そう、幸福はたえずあなたのそばにあるのです。
当たり前すぎて気づかなかないことのほうが多いでしょうが、当たり前のことは何一つないのです。
自分はとても幸せであり、あらゆるものに感謝する心が大切なのです。
高収入だからって幸福とは限らない

お金があれば何でもできる、何でもできれば幸せと思ってる人もいるかもしれませんが、それに異論を唱える研究が出てきます。
2002年行動経済学の分野でノーベル経済学賞を受賞したプリンストン大学のダニエル・カーネマン教授と、2005年行動経済学分野でノーベル経済学賞受賞の同じくプリンストン大学のアンガス・ディートン教授が、年収と幸福感について行った研究結果が出ています。
それによると、幸福度は年収が7万5千ドルまでは収入に比例して増加していきますが、それを超えると比例しなくなるという結果がでています。
ちなみに年収7万5千ドルは、為替レートが1ドル110円だとすると、約825万円に匹敵します。
収入が増加してくると、自由に消費できるお金が増え、生活満足度は向上するはずです。
それにもかかわらず、幸福度は上がらないのです。
これは『幸福のパラドックス』と呼ばれる現象です。
幸福の定義自体難しいものがありますが、仕事で稼げば稼ぐほど、ストレスなどもかかります。
ヘドニック・トレッドミル現象
例えばビールですが、最初の一杯目のビールはものすごく美味しくても、2杯目、3杯目となってくると美味しさが弱くなってきてしまいます。
つまり、豊かな生活ができるようになったとしても、次第にそれに慣れてきてしまい、幸福感は小さくなっていきます。
これは心理学的に『ヘドニック・トレッドミル現象』と言われています。