立場が変われば人は変わるもの | 薬剤師トピックス

人間は社会性のある動物だと言われています。

社会には、いろいろな人間がいて、戦国武将に喩えても、信長タイプ、秀吉タイプ、家康タイプ、信玄タイプ、謙信タイプなどいろいろいます。

また、リーダータイプよりも、参謀タイプと思われる人もいます。

集団に入れば、役割期待がでてくる

社会にでて会社に勤めると、集団の一員になります。

学生においても、たとえばサークルなどに入ると、やはり集団の一員になります。

こうして集団の一員になると、当然のことながら自分勝手にふるまうことは許されません。

集団に入ることで、地位や役割が与えられて、それにふさわしい行動を取ることが求められるのです。

これが、『役割期待』というものです。

会社で言えば、上司は部下に命令し、部下は上司の言うことにその命令が倫理的に反していることやルールを逸脱しているもの、法的に問題であるものでなければ、基本的には従うということになります。

もちろんもしそれが嫌なら、その集団を脱退するという選択肢があります。
そうしないと集団がバラバラになり、組織が機能しなくなってしまうからです。

役割が与えられれば人は変わる役割効果

サークルでも、1年生のときはなまくらでダラダラしていた子が、2年になって後輩が入ってきたとたんシャキッとなったり、今までほとんど必要なことすら遠慮がちでしゃべらなかった社員が、会議のリーダーを任命されてから、口数はやはり少ないものの、必要最低限のことはしっかりとしゃべるようになったとかいう話はよく聞きます。

人間とは不思議なもので、役割を与えられると、その役割にふさわしい行動を取るようになる動物なのです。

責任感がない社員に、あえてリーダーを任せると、最初のうちはぎこちなくても、次第にしっかりとふるまうようになっていったりするものです。

このように、リーダーという役割を演じているうちに、自分の言動に注意を払うような意識が変わってくることを『役割効果』と呼んだりします。

危ない実験

役割効果ということで、アメリカの心理学者ジンバルドーが変わった実験を行っています。

被検者を看守役と囚人役に分けて、監獄を模した実験場で、それぞれの役を演じてもらうという実験ですが、実験は6日間で中止になりました。

看守役は看守らしく、囚人役は囚人らしくふるまうようになっていき、次第に行動がエスカレートしていき、これ以上やり続けていると危ないということで中止になったようです。

このように、人間の行動は、地位や役割によって大きく変わり、その中でも権力の影響は絶大であるということがこの実験からわかっています。

いかに、きちんとした権力をもつべきはきちんとした人格者であって、人格がない者が権力をにぎるべきでない、自己主義、自己本位、エゴが強いものが権力をもつべきでないということがわかります。

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