長嶋監督も好んでつかった『道天地将法』の教えとは | 薬剤師トピックス

プロ野球の国民的大スターと言えば、王貞治さん、長嶋茂雄さんといったところでしょうか。
その長嶋茂雄さんが巨人軍の監督だったとき、その采配ぶりからは、勘ピューターと揶揄されたように、感性や直感だけで野球をやっていたというイメージがありますがそんなことはありません。
例えば、九回表2死一塁。1点を追う場面。代走に俊足の松本匡選手を送り盗塁をさせた。そしてその直後に送った代打が同点タイムリーを送った場面。

九回に1点負けていて、しかも2死。同点やリードしているのならわかるが、1点ビハインドで、もし盗塁失敗したらそこで試合終了じゃないか。
野球の定石からずれている! だから勘ピューターだというわけである。

ところがよく考えてほしい。長嶋監督のほうが、よっぽど確率論に則った緻密で論理的な野球をやっているのです。
そもそも定石ってなんだということになる。

勘ピューターではなく、精密なコンピューターだった長さんの野球

2死1塁、1点ビハインド。もし同点に追いつくためには、長打が出れば別だが、シングルヒットであれば、2本続けて出なければ同点に追いつけない。
たとえイチロークラスの打率350の打者が2人並んでいたとしても、2人が続けてヒットする確率は、単純に計算すれば、0.35×0.35=0.1225 つまり、12.25%としかない。ところが盗塁のスペシャリストの松本選手の盗塁成功率が950だとすると、松本選手の盗塁 + 次打者のヒット で同点に追いつくことができる。
その確率は、たとえ次の打者の打率が300だったとしても、0.95×0.30=0.285 つまり 28.5%となります。
つまり、同点になる確率が倍以上になる戦略をとったわけです。

長嶋監督と野村監督

長嶋監督とよく比較されるのが野村監督です。野村監督は自分を月見草にたとえ、長嶋監督をひまわりとしていて、対照的とも思われますが、孫子の兵法などを引用し、選手を勝てるチームに作り上げていったという共通点もあります。
そして、その中で長嶋監督がもっともよく用いていたのが、『道天地将法(どうてんちしょうほう)』です。

道天地将法

天は、季節や機構、気象条件に追い宇治田戦いが可能であるか
地とは、地形や国土に応じた戦いが可能かどうか
将とは、リーダーとしての素質が十分に備わっているかどうか
法とは、軍としての規律がきちんと整備されているかどうか

でも、天・地・将・法の4つの上位に置かれている最重要事項が「道」である。
「道とは、民をして、上と意を同じうせしむるなり」

つまり、国家上層部と国民が心を同じにしているかを知ることがもっとも大切なこと。

これを今のビジネスに当てはめてみると、部下・取引先・顧客のことを考えて、大義名分のある筋が通った仕事なのかどうかということにあたると思います。

つまり、ビジネスとは営利を追求するものですが、儲かれば何をしても良いのかということになります。
そういったことを考えさせられる言葉が、孫子の兵法にも出てくる
『道天地将法』になります。

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