ARF4の中でも悪い喫煙 | 薬剤師トピックス

心臓からは1日約8トンもの血液が全身に送り出されています。

そしてその血液は動脈を通過しているわけですので、動脈の血管が時間とともに少しずつ傷んでいくというのは当然のことと言えば当然のことです。

そこに、動脈硬化のリスクを高める要因が加わると、より血管は傷みやすくなり、動脈硬化が進行していってしまいます。

動脈硬化のリスク要因であるARF4

その動脈硬化のリスクを高める要因が、『ARF4(エイアールエフフォー)』と呼ばれるものです。

ARFとは何かというと、アテローム性動脈硬化の危険因子(Atherosclerosis Risk Factor)の頭文字になっています。

ARF4は、動脈硬化のリスクを高める4つの要因ですが、それが『喫煙・高血圧・脂質代謝異常・高血糖』になります。

さらに動脈硬化のリスクを高める要因の+αとして、肥満が挙げられます。

3倍ずつ危険度がアップするARF4

ARF4は、動脈硬化のリスクを高める4つの要因、『喫煙・高血圧・脂質代謝異常・高血糖』ですが、この中の一つが加わるごとに、その危険度が3倍になると言われています。
これは、東京医科大学八王子医療センターの高津健二先生が『3倍の法則』として提唱されています。

つまり、何もない健康な状態に比べると、喫煙していると動脈硬化のリスクが3倍に、さらに高血圧だとさらに3倍、つまり9倍の危険率に、加えて脂質代謝異常があると、さらに3倍、つまり27倍の危険率、そして高血糖もあるとなれば、さらに3倍のリスクとなり、81倍のリスクとなるというのです。

いかに、『喫煙・高血圧・脂質代謝異常・高血糖』について気をつけていかなければならないかということが示されているのです。

いますぐできる禁煙

『喫煙・高血圧・脂質代謝異常・高血糖』のARF4の中でも、トップの地位にいる悪のセンターともいえるべき存在が『喫煙』です。

よく言われることで、いまさら言うまでもありませんが、『喫煙は百害あって一利なし』なのです、

タバコの煙には、ニコチンやタールといった有害物質が含まれていて、ニコチンにより交感神経が刺激されて心拍数が増加し、末梢血管が収縮しますので血圧が上がります。

狭心症や心筋梗塞を発症するリスクは、喫煙というだけで、男性は2.9倍、女性は3.1倍に跳ね上がると言われています。

1日に20本以上タバコを吸う人は、タバコを吸わない人に比べると心筋梗塞の死亡率が1.7倍になるという報告もあります。

喫煙は、血圧だけでなく、体内の活性酸素も増やしますので、全身の細胞が酸化しまいます。

動脈硬化の危険因子であるARF4『喫煙・高血圧・脂質代謝異常・高血糖』ですが、行動を変えることによって今すぐに変えることができるのも『喫煙』です。

健康な血管のためにも、禁煙することは良いことなのです。

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