医療機関を受診して、お薬を処方されると、その処方箋をもって薬局に提出し、そこで調剤をしてもらいます。
この時、薬局からは「お薬手帳」の提出を求められたりします。
このお薬手帳には、今までの調剤歴が記されていて、さらにはその人のアレルギー歴、既往歴、家族歴などの体質に関係する情報も記録されていて、薬剤師がお薬を安全に調剤するための情報が盛りこまれています。
お薬をちゃんと飲んでくださいね
お薬をついつい飲み忘れてしまっていたのを、薬局で指摘されてビックリされる人もいるかもしれませんが、薬局ではお薬手帳や薬局にある調剤記録を見れば、前回このお薬を調剤した日付がわかりますので、30日分処方したのに、前回の来局から45日も経っているとなると、15日分はお薬を飲んでいなかったとわかってしまうのです。
医療機関から処方される薬は、このように薬局で調剤されるときに薬剤師によって飲み忘れているかどうかチェックされます。
しかし、これが一般のドラッグストアや薬の販売許可をもったコンビニなどでも買えるOTC医薬品だと、これはお薬手帳にも記載されないので、飲み忘れのチェックもなくなってしまいます。
飲み忘れとともに気をつけたい使用期限
薬に関して、飲み忘れとともに注意したいのが使用期限です。
食品については、消費期限や賞味期限を気にする人でも、お薬の使用期限に対しては意外にも無頓着な人が多くいます。
特に、飲み薬よりも塗り薬になると、使用期限を確認しないという人も結構いるようです。
大鵬薬品工業株式会社がインターネットで行ったアンケート調査でも、食品の賞味期限を気にする397人のうち、4割強の人が薬の使用期限は気にしていないという結果になっています。
確かに、薬の使用期限は食品に比べて長く、OTC医薬品の使用期限でもだいたい通常は3年ありますし、この3年という使用期限も、メーカーがかなり余裕をもった数値になっています。
口から飲んで体内に入れる飲み薬でなく、肌に塗るだけの塗り薬に関しては、なおさらこの無頓着さが目立ってきます。
食品の賞味期限と薬の使用期限の違い
食品の場合は、夕食にするために買ったり、一週間後にあの料理を作るからという目的をもって買っていて、また賞味期限を気にする人も多くなっています。
しかしお薬の場合は、ある症状が出て、その症状が出ている時はきちんと飲みますが、症状が治まるともう飲まなくなります。
症状が治まると飲まなくなるというのは正解なのですが、それをそのままにしておいて、常備薬として薬箱の中に残った薬が保管されます。
そして、また同じような症状が出てきた場合、その薬を手に取ると、1年前に使用期限が切れていたりします。
こんなとき、薬だから大丈夫だといって、1年前に使用期限が切れていても意外と飲んでしまう人がいます。
食品のように腐敗はしないだろうという考えからだと思いますが、使用期限を過ぎたものはメーカーから品質保証されていませんし、成分が劣化して効き目が悪くなったりしている可能性があります。
さらに、医薬品のパッケージなどに記載されている使用期限は、医薬品を開封する前からの使用期限であって、食品と同じく一度開封してしまった場合でも、その使用期限までは大丈夫というものではありません。
自己責任という問題といえばそうなのかもしれませんが、使用期限をすぎている医薬品は、処分するようにしましょう。