よくアロマテラピーは体をリラックスさせて健康に良いと言われていますが、どういったメカニズムがあるのでしょうか。

香りは原始的な感覚

香りは視覚や聴覚、味覚と違って原始的な感覚です。

私たち人間をはじめ、動物には嗅覚や触覚は非常に大切な感覚です。

例えば、まだ目が開いていない赤ちゃんですが、全身でいろいろなものに触れて、そしていろいろな香りを嗅いで、その情報は無意識のうちに脳に送られて、心や体を育てていきます。

嗅覚と触覚は、進化の過程においても、早い段階で発達してきました。

なぜ嗅覚は早い段階で発達したのはなぜなのか

よく、チャンスをつかむのに長けた人や、危険を察知するのがうまい人のことを、嗅覚がするどい人と言ったりします。
野生動物は、常に弱肉強食、天敵の臭いをいち早く察知して逃げる、逆に捕食動物の臭いを嗅ぎつけGETするというように、身を守ったり、生きていくのに必要な感覚として嗅覚があります。
だからこそ、嗅覚は水の中にいる魚類にも備わっているのです。

香りはどうして感じるのか

香りは、鼻の奥にある嗅細胞という細胞が香りの刺激をキャッチし、嗅神経によって脳に伝達しています。そして、記憶のスペシャリストとも言われる脳内の海馬にその信号はダイレクトに送られます。

香りが本能や情動を深く刺激する理由

だからこそ、視床・大脳新皮質を経てから大脳辺縁系に入ってくる視覚や聴覚といった感覚よりも、より本能や感覚を揺さぶる力が強いのが嗅覚なのです。
嗅覚刺激は、大脳辺縁系の扁桃核や海馬にダイレクトに伝えられるため、食欲・性欲・睡眠欲といった本能行動や、記憶、喜怒哀楽といった情動が、嗅覚の影響を強く受けるのです。

香りが伝わる速さは、痛みが伝わる速さよりも速い

私たちが香りを感じる感覚は、痛い!と思う感覚よりも速く伝わるのです。
例えば歯痛などの痛みを感じて、刺激が脳に伝わるまでの時間は0.9秒以上です。
でも香りの刺激が脳へ伝わるまでの時間は、なんと0.2秒以下なのです。

そして香りの刺激が伝わる脳の部分と、その香りの快・不快を感じる脳の部位は大変近いところにあります。したがって、香りによって人の気分や情動は左右されやすいと言われています。
香りの脳に対する働きは、非常に速く、しかも気分や情動に深く働きかけるようになります。
よく異性に対して、どんなにいい人でも、その人の匂いが気に入らないと、もうすべて全否定といった気分になる人もいますが、これも嗅覚が非常に気分や情動に大きな影響を与えているということの証明になるのかもしれません。