目尻のシワは、俗に「カラスの足跡」と呼ばれています。
カラスの足跡はなぜできる
目尻はシワができやすい場所になっていて、テレビで女優さんをみていても、ある年齢をいくとどうしても目尻のシワはでてきてしまっています。
カラスの足跡、つまり目尻のシワはなぜできるのかといえば、もともと目元は皮膚が薄い場所になっています。
そのために、紫外線や日焼け、乾燥などの影響を受けやすい部位になっているうえ、目尻は表情の変化などによっても皮膚がよく動く場所になっているので、どうしてもシミができやすい場所なのです。
皮膚は、一番表面から、表皮・真皮・皮下組織というようになっていますが、最初は乾燥などによって表皮に細かいシワが現れます。
こうしたシワは、肌をしっかり保湿してあげることにより、元に戻っていきますが、紫外線や乾燥、加齢などによる影響が大きくなってくると、真皮まで達した深いシワになっていき、こうなると保湿をしても対処できなくなってしまいます。
さらに、皮下組織にまで影響が及ぶと、皮下脂肪にも影響がでて、たるみになってきます。
カラスの足跡と遺伝子
カラスの足跡ができやすい人とできにくい人がいて、それは遺伝子によって異なってきます。
中国科学院の研究によれば、AHR(芳香族炭化水素受容体) 遺伝子にあるrs2066853と呼ばれるSNPが、目尻にできる深いシワと関係があるのだそうです。
AHR遺伝子は、異物の代謝や抗酸化作用に関わる遺伝子で、周りの環境からさまざまなストレスやダメージを受けた時の細胞の修復に深く関係しています。
rs2066853にはAA、AG、GGの遺伝型があって、AAの遺伝型を持つ人が目尻のシワができやすい傾向があり、AGの遺伝型を持つ人は目尻のシワがややできやすい傾向にあります。
一方、GGの遺伝型を持つ人は目尻のシワができにくいと言われています。
表情ジワ、紫外線や加齢など、カラスの足跡ができる原因はいろいろありますが、遺伝子も影響を与えているのです。
カラスの足跡は気にしない
カラスの足跡が気になる人は、ボトックス注射などが効果的と言われていますが、これは目尻にボツリヌス・トキシンを注入することで神経や筋肉の働きを弱め、表情ジワを改善していくものです。
また、ハイフ(HIFU)と呼ばれる肌の深層(SMAS層)に高エネルギーの超音波をあてて、シワ・たるみを改善する施術法などもあります。
しかし、目尻のシワは考え方を変えれば笑顔の勲章とも言えます。
よく笑って笑顔が素敵な人は、カラスの足跡ができやすいのですが、目尻にできるシワは、表情豊かでたくさん笑ってきた魅力的な人の勲章という考え方もできるのです。