自然毒というと、真っ先に毒キノコを連想する人も多いと思います。
山菜取りに出かけて、思わず似たような食用キノコと間違って食べてしまい、食中毒を起こしたという例はよくあります。
食中毒の報告が多いキノコ
食中毒の報告件数、患者数が多いキノコとしては、一番多いのがツキヨタケ、次に多いのがクサウラベニタケになっています。
毒キノコとしては、ツキヨタケが報告件数が多いものとしてしられていて、毒成分はイルジンSやイルジンMなどです。
食後30分~1時間ほどで嘔吐・下痢・腹痛などが起こり、通常は2~10日ほどで回復します。
ツキヨタケは形がヒラタケ、色がシイタケに似ていることからしばしば誤食されてしまいます。
ツキヨタケに次いで、食中毒の報告が多いのがクサウラベニタケで、食後10分~数時間で嘔吐や下痢、腹痛などがあらわれ、毒成分といてはムスカリンやムスカリジンが知られています。
ホンシメジやウラベニホテイシメジと似ていることで間違って食されてしまい食中毒を引き起こします。
ニラや玉ねぎと間違って食べて食中毒
普段よく食される野菜とよく似ていることから間違って食され、食中毒を発生するものがあり、件数・患者数が多いものとしてスイセンがあります。
スイセンはヒガンバナ科の多年草ですが、冬から春にかけて白色の花を咲かせることから園芸植物としても人気があります。
このスイセンは葉がニラに良く似ていることから、花が咲いていないとニラと間違えて食してしまい、それで食中毒を起こしたという事例が相次いでいます。
ニラの葉は強烈な臭いを放ちますが、スイセンの葉は特に臭いはないので、臭いを嗅ぐことで区別することが簡単にできます。
またスイセンはその鱗茎が玉ねぎに似ていることからも誤食されます。
スイセンを食べてしまった場合、食後30分以内に悪心・嘔吐・下痢・発汗・頭痛などが起こります。
スイセンの毒成分はリコリン、タゼチンなどで、重症の場合、心不全を起こし死亡する場合があるので注意が必要です。
ジャガイモの芽はしっかり取って
ジャガイモの芽に、ソラニンやチャコニンという毒があるので、芽は取る必要があるというのは、常識ですが、わかっていながら面倒くさいので芽ぐらい大丈夫だろうと食してしまうと、思わぬしっぺ返しにあいます。
ジャガイモは学校などでの集団食中毒もあり件数の割には患者数が多くなっています。
ジャガイモは、芽や芽の付け根の部分、緑色の皮の部分は有毒なので、しっかり取り除くことが大切です。
もしこの部分を食べてしまうと、食後30分から半日ほどで、頭痛や嘔吐・下痢・腹痛、めまい、疲労感、動悸などの中毒症状が出てくることがあります。
重症になると脳浮腫を起こし、小児では昏睡状態になり死亡することもあるので注意が必要です。