三大栄養素といえば、糖質・脂質・蛋白質になり、さらに五大栄養素となればこれにビタミンとミネラルが加わってきます。
それじゃ、ミネラルにはどういったものがあるのかというと、主要ミネラルと微量ミネラルに分けることができます。
主要ミネラルは、カルシウム・カリウム・ナトリウム・マグネシウム・イオウ・リンといったおなじみの栄養成分が並びます。
微量ミネラルには、鉄・銅・亜鉛・ヨウ素・セレン、マンガン、クロム、コバルト、モリブデンがあります。
モリブデンはどんな生理作用があるのか
モリブデンは、体の中に存在する量としては、9.3mg以下、体重に対する割合に換算すると0.00001%となり、ごく微量にしか存在していません。
ミネラルの中で、もっとも多く体に存在するカルシウムは、体重に対する割合が1.4%とされているので、これと比較するとかなり少ないと言えます。
それでは、こんな微量なモリブデンが人体でどんな生理作用に関与しているのかというと、酵素の成分、酵素の活性化物質として働くことによって、アミノ酸や尿酸の代謝に関係しています。
モリブデンが多くある場所
体の中にもモリブデンが微量に存在しますが、どこに多く存在しているかというと、肝臓・腎臓・副腎になります。
モリブデンを多く含む食材としては、大豆・豚レバー・そら豆・ナッツなどがあります。
こうして摂取されたモリブデンは、胃腸で吸収され、血漿タンパク質と結合して血中を流れ、体内の各組織に運ばれますが、中でも肝臓・腎臓・副腎に多く含まれています。
モリブデンは、吸収率が高く、尿として速やかに排泄されていきます。
吸収されやすく、速やかに排泄されるという性質から、通常の食生活で不足や過剰を心配する必要はないでしょう。
欠乏症としては、低尿酸症、頻脈、多呼吸、意識障害などがありますが、普通の書癖うかつをしていればまず考えにくく、報告はありません。
過剰症は、尿として速やかに排泄されてしまうので、こちらも報告はありません。
酵素の働きを助けているモリブデン
モリブデンは窒素やイオウに関連したミネラルで、特に窒素代謝に大きな役割を果たしています。
モリブデンは、キサンチンオキシダーゼといった酵素の補酵素として働いています。
糖質や脂質の代謝を促進し、エネルギー産生に役立つほか、鉄を利用しやすくする働きもあるので貧血予防にも効果があります。
またプリン体が尿酸に分解するのを助け、体外に排泄する働きがあります。
モリブデンは、そのほかにもビタミンCの代謝に関与したり、甲状腺ホルモンの代謝にも関与しています。