染色体検査って何? | 健康トピックス

人間の病気は、遺伝要因として遺伝子の特徴と環境要因とが相互に影響することによって起こるとされていますが、特に遺伝子疾患では、遺伝子の変化が発病に対して影響があります。

染色体検査とは

染色体は、核膜に包まれていて、DNAとそれに密接しているヒストン及び非ヒストン蛋白からできています。

人間の染色体の基本構造は、1本のDNA二重らせん構造で、染色体の端から端まで切れることなく続いて染色分体を形成していて、人間の場合は、約2mにも及ぶDNAが直径約10μmという細胞の核の中にたたみこまれています。

人の染色体は、2本ずつ対になった1~22番の常染色体と、2本の性染色体の合計23対46本が存在していて、その染色体の中には2~3万個の遺伝子が組み込まれて、人の体を格子柄する細胞の設計図になっています。

染色体検査は、こうした染色体の数や構造を調べる思念になります。
染色体検査の特徴としては、その診断が疾患の診断に直結するケースが多いのが特徴です。

染色体検査の目的

染色体検査の目的は、染色体の異常を調べることにあります。

正常な細胞であれば、DNAからRNAへの転写、そして蛋白への翻訳・修飾が一定の制御で調整されていますが、染色体に異常があると、核DNAの変化が起こります。

理論的に言えば、分裂する細胞であれば、染色体検査は可能ということになります。

染色体検査をするときに、血液細胞は1個1個の細胞がバラバラになっていることから、検査に適しています。

染色体検査は、病気お確定診断、治療効果の確認などを精密に知ることができます。

染色体検査のしくみ

人の細胞周期は、約1時間の分裂中期(M期)とそれ以外の間期に分けられ、このM期に1個の細胞が2個の細胞になります。

間期は、DNA合成準備期、DNA合成期、分裂準備期に分けられます。

染色体検査は、まず細胞を培養して、分裂阻止剤である凝る蝉度やコルヒチンを加え、紡錘糸の形成を阻害し、M期に細胞周期を止めて分裂細胞を多く集めます。

集めた分裂細胞に低張液を加えて細胞を膨らませ、そこに固定液を加えて冷所保存します。

こうして処理された細胞を冷スライドグラスに機械的に吹きかけて熱すると、核から染色体が飛び出てスライドグラスに張り付き、それを染色して内部構造の違いを調べていきます。

『G分染法』では、ギムザ染色を行うことで判明する縞模様のバンドを評価して、染色体全体の数や構造の変化をおおまかに判定していきます。

『FISH法』では、染色体上にハイブリダイゼーションさせた蛍光プローブの発色の有無で、特定領域の微細な欠失、染色体の形態などを判定していきます。

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