内臓脂肪型肥満に加えて、高血糖、高血圧、脂質異常などの動脈硬化危険因子が2つ以上重なり合った状態であるメタボリックシンドロームは、歯周病のリスクを高めてしまいます。
歯周病とメタボリックシンドローム
高血糖、高血圧、脂質異常は、それぞれがたとえ軽症であっても、これらが複数重なると動脈硬化が進みやすくなってしまいます。
これらが重なったメタボリックシンドロームでは、心筋梗塞などの心臓病のリスクが10~30倍になると言われていることは広く知られています。
一方、歯周病に関しては、メタボリックシンドロームは関係ないという感じがしますが、メタボリックシンドロームの判定基準が多く当てはまるほど、歯周病のリスクも高くなることがわかっています。
メタボリックシンドロームと歯周病はどう関係してるのか
肥満で脂肪が増えてくると、脂肪組織からアディポサイトカインという物質が分泌されてきまますが、このアディポネクチンが歯周病の炎症を悪化させてしまいます。
実際に、肥満の人は、そうでない人に比べて歯周病のリスクが1.5倍になるのです。
歯周病がさらなるリスクに
歯周病は、心筋梗塞や脳卒中などに関係していて、メタボリックシンドロームに加えて歯周病の両方があれば、そのリスクは高くなります。
歯周病になると、インスリンの働きを悪くするため糖尿病が悪化させ、肥満を引き起こします。
歯周ポケットが深い人は、数年後にメタボリックシンドロームになりやすいとも考えられています。
タバコの生活習慣も歯周病には最悪
タバコは「百害あって一利なし」と言われています。
そもそも、なんでそういうことがわかっているのに、平気でタバコが販売されているのか自体も非常に疑問なのですが、まあ、それはおいておいて、喫煙すると口内では大変なことが起こります。
タバコの煙には約4000もの化学物質が含まれていて、そのうち約200種類はニコチンなど有害な物質です。
さらに、タバコを吸う事によりこれらの有害物質や一酸化炭素が、肺はもちろん、口内の粘膜からも吸収されて血液に入っていきます。
このとき、歯肉の血流が悪くなり、免疫機能が低下し、細胞の抵抗力が弱くなり、歯周病菌が増殖しやすくなってしまうのです。
喫煙は、単にタバコのヤニが歯につくだけでなく、歯肉炎を誘発するのです。
さらに、喫煙の場合、ニコチンなどの作用で血流が悪くなるため、歯肉からの出血が減るばかりか、歯肉にメラニン色素の沈着が起こり、歯肉が赤黒く変色するため、歯周病による赤味が目立たなくなってしまうため、歯周病の進行が速くなっているにもかかわらず、歯周病が発見しにくくなってしまうのです。
医師によってh、喫煙を歯周病の一番の危険因子としてあげる人もいるくらい、歯周病にとって喫煙行為はよくない行為なのです。