日本は、いたるところに温泉があり、まさに温泉天国であり、全国の名湯めぐりが趣味だという人もいるくらいです。
お風呂で亡くなるのはなぜ
お風呂で亡くなる人は1年間にどのぐらいいるのかというと、なんと全国で推計2万人いじょうの人が、浴槽内で亡くなっているそうです。
そして、お風呂で亡くなっている人の大半が熱中症を起こした結果の死亡だと考えられるといわれています。
お風呂に長い間浸かっていると、熱中症を引き起こし、非常に危険な状態になる可能性があるのです。
お風呂の温度が42℃だった場合、そのお湯に10分浸かって使っていると、人間の体温は1度上昇します。
体温が38℃にもなれば、動機や頭痛、めまいなどがでてきて、40℃になると意識障害がでてきます。
42℃までいってしまうと、細胞が壊れてきますし、高カリウム血症を起こしたり、心臓が停止してしまうこともあり、多くの人がお風呂で命を落とす原因になります。
温泉なら大丈夫なんじゃない?

よくお風呂で倒れて亡くなったという話は、自宅の風呂というイメージがあります。
確かに自宅の浴槽内だと、一人きりで入浴しているケースがほとんどです。
温泉などの場合は、周囲の目があるので、早く発見され、そのおかげで助かるケースは多くなっています。
しかし、温泉だからといって油断は禁物です。
もともと温泉に入る入浴件数よりも、家庭で入浴する機会のほうが圧倒的に多いので、自宅での風呂でのケースが目立っているという側面もあるからです。
特に注意しなければいけないのが、温泉のほうが一般的に家庭の風呂の温度よりも高くなっていますので、それだけ熱中症になるリスクも高いのです。
特に秋冬、体を温めようと入浴時間が長くなって、温泉から搬送されてくる高齢者が増えてきます。
お湯の温度が高ければ高いほど、より短時間で血液の温度があがり、熱中症になりやすくなります。
温泉で亡くならないための目安
草津温泉では、有名な湯もみがあります。
これは、草津温泉はだいたい46℃という温度で、これを板で湯もみして少し温度を下げてから入るようになっているのですが、湯長からは3分経つと、「上がってください」と言われます。
これはそれ以上入ると危険ですよということなのです。
高齢者のなると、温度に対して鈍感になり、熱さを感じにくくなるためついつい長風呂になってしまいます。
目安としては、少し額に汗がにじんできたら一旦湯船を出るのが良いでしょう。
自宅の風呂だと、温度は41℃までに押さえ、湯船に浸かる時間は10分までにするのが理想です。
自宅の風呂よりも温度が高めの温泉では、連続して入るのは5分程度までにしておいたほうが良いでしょう。
また、温泉で元をとろうと1日に何度も入る人がいますが、これもオススメできません。
いわゆる「湯あたり」「湯疲れ」といった症状は、熱中症を起こしている証拠のようなもので、温泉で一度上がった体温はそんなに急激には下がらず、2時間ぐらいは体温が高い状態が続いているものです。
温泉の浴室にも「多くても2~3回」と書かれているところもあるくらいです。