熟年世代のうつ、特に女性は注意 | 健康トピックス

『うつ』といえば、気分が落ち込んで憂鬱な状態が続いたり、いろいろなことに興味や関心が持てなくなってしまう状態が続く状態です。

うつは、いろいろな世代に見られますが、若い世代だと、仕事の悩み、家事の負担、対人関係のストレスなどが、うつの引き金になったりします。

熟年になると、定年退職で仕事のストレスや対人関係のストレスは減り、子供も成人し家事の負担も減り、ストレスが減りうつになりにくいのではと思うかもしれませんが、熟年になればそれなりに、別の新たな問題がうつの引き金になってくるのです。

熟年を襲う喪失感

熟年になると、体の不調が増えて、体力の衰えを痛感するようになります。

昔はいとも簡単にできていたことが、できなくなり、さらに、子供も成人して自立し巣立っていき、さらには定年退職で仕事も社会的地位も失い、心にぽっかりと穴が開いたような感じになることもあります。

会社での人間関係もなくなり、こうした喪失体験が、熟年世代のうつの大きな要因になっています。

女性はうつになりやすいポイントが多い

熟年のうつというと、会社で働きある程度の社会的地位を気づいてきた熟年男子が、仕事と社会的地位を同時に失った喪失感をイメージする人もいると思いますが、女性のほうがうつになるポイントが多いと言われています。

特に女性の場合は、出産や閉経といったホルモンバランスが大きく変化し、それとタイミングを同じくして家族構成や社会環境が変化することが多いのです。

女性の場合は、『空の巣症候群』『夫在宅ストレス症候群』という2つの大きなうつポイントがあります。

空の巣症候群と夫在宅ストレス症候群

『空の巣症候群』は、出産し子供を育ててきたものが、子供が進学や就職、結婚などを機に独立してしまい、子育ての生きがいが感じられなくなり、寂しさや憂鬱感を感じ、うつになってしまいます。

『夫在宅ストレス症候群』は、定年退職した夫が一日中家にいることがストレスになるというものです。コロナ禍で夫が在宅勤務となり奥さんのストレスが増えて夫婦仲が悪くなったという話もよく聞きます。

結婚し、夫は朝から晩まで働き、休日もゴルフや麻雀の接待で出かけることが多く、最初は夫の不在を寂しく思っていても、徐々に慣れてきて、夫がいない時間を楽しめるようになってきます。

ところが夫が定年退職とともに一日中家にいて、自由な時間がなくなり、気分転換に買い物へ行こうとしても、買い物にまで夫がぬれ落ち葉みたいについてくる。

それがストレスになってしまい、息がつまるような感じでうつになってしまうのです。

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