臨床検査値の感度・特異度とは | 健康トピックス

臨床検査を行い、いろいろと結果がでてきますが、その場合、感度特異度ということをきちんと考えなければなりません。

感度・特異度とは

ある検査を行った場合、陽性か陰性かといった結果がでてきます。

この時、4つのパターンが考えられます。

本当は陽性であり検査でも陽性と判定される『真陽性』、本当は陽性なのに検査では陰性と判定されてしまう『偽陰性』、本当は陰性である検査でも陰性と判定される『真陰性』、本当は陰性なのに検査では陽性と判定されてしまう『偽陽性』です。

検査でいう『感度』とは、本当は陽性の人の中で、どのくらいの人がきちんと陽性と判断されるかという割合(%)になります。

一方『特異度』は、本当は陰性の人の中で、どのくらいの人がきちんと陰性と判断されるかという割合(%)になります。

多くの人が検査を受ける弊害とは

感度が70%、特異度が99%の検査があったとします。

この検査を1万人の人が受けて、実際の陽性者が100人だったとします。

つまり、ほとんどの人が陰性で何でもないのに検査を受けるとどうなるかです。

すると、本当の陽性者は100人で感度が70%なので、真陽性の人は70人になります。

そして偽陰性の人は100-70=30人になります。

一方、9900人は本当は陰性であり、特異度が99%であることから真陰性の人は、9900×0.99=9801人になり、偽陽性の人は99人となります。

陽性的中率は、「真陽性者数/陽性判定者数(真陽性者数+偽陽性者数)」になるので、70/(70+99)で計算でき、41.4%になります。

陰性的中率は、「真陰性者数/陰性判定者数(真陰性者数+偽陰性者数)」になるので、9801/(9801+30)で計算でき、99.7%になります。

この結果をみると、検査で陽性だった場合は40%程度しか当たらないのか、陰性だったらほぼほど大丈夫だと勘違いしてしまいがちで、これが数字のマジックなのです。

実際は、まったく逆で、検査で陽性だったらほぼほぼ陽性で、陰性でも安心できないというのが正解で、なぜこんなことが起きてしまうかというと、もともと陰性の人が検査を受けすぎたからなのです。

きちんと感度・特異度を理解する

例えば、ある検査の感度が70%だったとすると、本当は陽性の人10人に検査を行った場合、3人は陰性と間違えて見逃してしまうという結果、つまり偽陰性になります。

また、特異度が99%だったとすれば、陰性の人が間違って陽性と判定される確率は1%ということになります。

つまり、検査で陽性判定された人が100人いた場合、99人は本当に陽性だということになります。

つまり、感度が70%、特異度が99%の検査を受けて、陽性だった場合は99%は陽性、陰性だったとしても本当は陽性なのに見逃されてる可能性があるということになります。

このように、あまりにも多くの明らか陰性の人が検査を受けると、陽性・陰性的中率は当てにならないということになります。

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