サクランボは、バラ科サクラ属で、桜の木にできる果実で、桜の花の子房が発達してできたものになります。
一言で桜といっても、日本には100種類以上の桜が自生していて、それに加えて品種改良された栽培用のものも含めると200種類を超えると言われています。
美味しいサクランボは、軸が青々としてしっかりしていて、果実部分は色鮮やかでつやがあり、黒ずみがありません。
アメリカンチェリーに関しては、色が濃い方が甘くなっています。
サクランボは流通機関が限られていて、さらに国産のものは味が落ちやすく日持ちがしないため、2日以内に食べることをオススメします。
冷蔵庫に入れると甘味が失われるため、一晩以内に食べると良いでしょう。
ソメイヨシノとサクランボ
春に鮮やかな桜色の花をさかせる日本の桜の代表選手ともいえるソメイヨシノですが、このソメイヨシノにもサクランボはできます。
しかし、サクランボができる条件は厳しく、なかなかサクランボができません。
というのも、桜には自家不和合性といって、自分の花粉で受粉しても果実ができないという性質があるのです。
つまり自分のおしべの花粉をめしべが受粉しても種子の形成や果肉の発達が起こらず、サクランボはできないのです。
さらに受粉には相性もあり、だからこそ、日本の各地、あちこちに桜の木があるのに、サクランボをあまり見かけないのはそのためなのです。
産地が限られ栽培に手間がかかる赤い宝石
サクランボは、1日の寒暖差が少ないとその特徴である清涼感のあるさわやかな甘みが出てきにくいため、産地が限られるうえ、栽培に手間がかかるため赤い宝石と呼ばれるほど高価な果物とされています。
サクランボというと、桜を連想し、そこから日本原産というイメージがありますが、実はサクランボの原産はアジア北西部および黒海沿岸と言われています。
現在のサクランボの品種が日本に伝わったのは明治初期と言われ、全国生産の7割を山形県が占めています。
赤い宝石の成分
バラ科の果物には、甘味としてソルビトールが多くふくまれますが、サクランボも例外ではなく、さらに食物繊維も豊富に含まれています。
サクランボは、カリウムも豊富で、血圧の上昇を抑え高血圧の予防効果も期待されています。
サクランボには、エネルギー代謝を活発にするアスパラギン酸も多く含まれていて、疲労回復効果も期待されます。
赤みが強いアメリカンチェリーには、抗酸化作用に優れたポリフェノールのアントシアニンが豊富に含まれています。
サクランボには、鉄分や葉酸も比較的多く含まれているため、貧血の予防、細胞の成長促進、新陳代謝の活発化などが期待されます。
ちなみに、加工食品などでチェリー風味というものがよくありますが、あの独特の甘い香りの成分の正体は、ベンズアルデヒドで、杏仁豆腐やアーモンドの香り成分でもあります。
サクランボの種子には、空洞があるのですが、その中の空気を温めることで保温効果が発揮されるとして、ヨーロッパでは、古くから小袋にサクランボの種子を詰めて湯たんぽのように使っていたそうです。