タマネギは、英語では Onion、和名や別名は、玉葱・葱頭になります。
良品は、どっしりとしていて、丸くて締まっているものになります。
タマネギは、その原産地は、中央アジア、インド北西部あたりといわれていて、イランやエジプトでは紀元前から食用とされてきたという記録も残っています。
日本に伝わったのけ江戸末期だと言われていて、家庭料理として一般的に使われるようになったのは、明治以降に洋食が広まってからになります。
タマネギを剥くと涙が出るという成分
タマネギ独特の目が痛むほどの臭いと辛みは、硫黄化合物のジアリルジスルフィド類(二硫化アリル)によるものです。
二硫化アリルは、ネギ属の植物にみられる有機硫黄化合物で、黄色みを帯びています。
化学的には、水に溶けず、独特の臭いがします。
二硫化アリルには、抗菌作用、殺虫作用があり、カビや微生物の成長を阻害する働きがあり、ヘリコバクター・ピロリにも効果があります。
タマネギをみじん切りにしたりすると、よく涙が出たりしますが、これは包丁などで切るとタマネギの細胞が壊れ、中にある酵素が出てきて、タマネギに含まれているアミノ酸と反応することにより、揮発性の二硫化アリルになって、これが目や鼻が刺激します。
タマネギを水にさらしたり、冷蔵した冷たいうちに切ったり、調理前に少しだけ電子レンジで1分ほど温めると、揮発されて出てくる二硫化アリルが減り、揮発による目や鼻への刺激を抑えることができます。
加熱すると甘い香り
タマネギをみじん切りにしたときは、鼻をつき涙が出てくるような二硫化アリルの刺激臭がしますが、それを加熱していると、その刺激はなくなってきて、代わりに甘い香りがしてきます。
また、タマネギは生で食べると辛いのに、火を通すと味が濃く甘くなります。
これは、プロピルメルカプタンという成分のおかげで、砂糖の50倍もの甘味がある成分です。
このプロピルメルカプタンは、二硫化アリルが加熱されたことにより変化したもので、胃の粘膜保護や、胃の血流を促進する働きもあります。
タマネギの健康成分
タマネギには、カリウム、カルシウム、マグネシウム、ビタミンB6、ビタミンCなどのビタミンやミネラルが豊富に含まれていて、疲労回復効果が期待できるアリシンも含まれています。
さらに抗菌作用がある二硫化アリル、ポリフェノールの一種で活性酸素除去効果があるケルセチン、細胞代謝機能活性化作用があるスコルジニンなどがあります。
タマネギは、旨味成分であるグルタミン酸も含んでいて、健康的な上に美味しい野菜になっています。
タマネギは、鼻づまりを抑えたり、痰や咳をしずめたりするということで、民間療法で用いられたりもします。
また、エドガー・ケイシーは、インフルエンザに感染して咳や痰がでる場合、タマネギを蒸して出た汁で喉を潤すことにより良くなるというようなリーディングもしています。
タマネギに含まれる二硫化アリルに、抗菌作用があり、食膳的にも、温性食品で、帰経が肺になっています。