ユニークなYOUというタイトルで、タレントのYOUさんを連想した方もいるかと思いますが、その場合はごめんなさい。
確かに、タレントのYOUさんもユニークで素敵な方ですが、ここでは英単語の「YOU」についての話しになります。
YOUは、いつも「あなた」とは限らない
YOUという英単語の意味を言ってみてくださいというと、十中八九、いや99%の人が「あなた」または複数形で「あなたたち」と答えると思います。
ちょっとひねった人でも、「あなたを」とか「君たちを」という答えだと思います。
もちろん間違えではありませんし、むしろ普通はそう答えるものでしょう。
ただ、YOUには、WEと同じように人間一般を指す使いかたもあります。
辞書を引くと
[総称的に一般の人をさして] 人は(だれでも) 《★【用法】 漠然とした人をさすので日本語に訳さないほうがよい場合が多い》と記載されています。
例文も見てみると
You never can tell. (先の事など)だれも予測できないものだ。
なぜ、わざわざYOUを使うのか
YOUは、聞き手・話し手も含んだ人間一般のことを指した形での表現になります。
「人間一般」を指すのであれば、WEも使うし、もっと一般的な単語としてONEだってあります。
なぜわざわざYOUなんて単語を使うのでしょうか。
もちろんONEで代用することもできますが、ONEを使うと堅苦しいニュアンスがでてきてしまいます。
YOUのほうがくだけた表現になります。
You can't learn a foreign language in six months.
One can't learn a foreign language in six months.
でも、「外国語を6ヵ月で学ぶことはできない」となり同じ意味ですが、堅苦しくない表現となると
You can't learn a foreign language in six months.
になるのです。
WEでもいいじゃないか
ONEは堅苦しくなることがわかったけど、それならWEでもいいじゃないか、どう違うの?ということになります。
そこで次の2つの文を見比べてください。
You must not tell lies.
We must not tell lies.
(嘘をついちゃいけない)
YOUを使うと、対決姿勢が出て、教訓的な感じになります。
一方、WEの場合は謙虚さが含まれていて柔らかな感じになります。
ちなみに、YOUは単数形も複数形も同形なので紛らわしくなってしまいます。
そこで次のような言い方をするケースもあります。
Please be quiet, you two.
(お願いだから静かにして! あなたたち(そこの2人))
面白い表現
英語では、「~な奴」というときに、次のような表現をすることがあります。
Youなどに形容詞や副詞をつけて修飾する言い方で、形容詞が代名詞を修飾するめずらしい形です。
Lucky you ! (運のいい奴)
Clever him ! (彼は頭がいいよ)
Don't blame poor me so much ! (あわれな僕をそんなに責めないでくれよ)