脳トレって効果があるのかないのか | 賢脳トピックス

脳トレについて、その名のとおり、頭を良くするのかどうかについて、多くの研究が行われていて、肯定する結果も否定する結果もでています。

一言に脳トレといっても、そのやり方はまちまちで、一概に比較するわけにはいきませんが、はたしてどうなのでしょうか?

脳トレは効果がないとする研究

脳トレは、名ばかりで効果がないとする研究結果もいくつかでています。

定期的に脳トレを行っている1000人以上の人と、脳トレを全く行っていない約7500人の人々を対決させるという実験が行われています。

パズル、戦略課題などの空間的推論タスクなど12の認知テストが行われて、記憶、推論、言語能力が評価された結果、脳トレの効果はなかったとしています。

脳トレのプログラムを18か月以上受講した熱心な人達ですら、プログラムを実行していない人達のレベルを超えて思考能力を向上させることはなかったとしています。

どのような脳トレを行うかという点も重要なのかもしれません。

例えば、テレビでやっているクイズなども、何回かみているうちにその問題のクセなどがつかめ、正解率が上がってくることがあると思いますが、それは頭が良くなったというようりも、単にクイズに慣れた、クイズ脳になったということのほうが大きいのだと思います。

ゲームで頭が良くなるのであれば、ゲーム好きの人はみんな頭がよくなってしまいますし、心理ゲームに強い人が必ずしも人の心の機微を読み取る力があるかといえば、そうではありません。

要するに、単にそのゲームには強い、心理ゲームは良くできるということであって、実際の頭の良さや心の機微が読めるかというのは別問題なのでしょう。

脳トレは効果があるとする研究

一方で、脳トレは確かに効果があるという研究もあります。

前頭葉を鍛えるような頭の使い方をする脳トレをすることで、加齢による前頭前野の機能低下に歯止めがかけれるというものです。

年とともに、記憶力や脳の処理スピードは低下し、「あれ」「それ」など言葉を思い出せないことが増えてきますが、これに深く関わっているのが、記憶や学習、言語などをとりまとめて判断する「前頭前野」、記憶を引き出しに入れたり取り出したりする「海馬」
やる気にスイッチを入れる「線条体」です。

この「前頭前野」、「海馬」、「線条体」などの脳の働きが低下しますが、これらを鍛えるような頭の使い方をすると効果が出るようです。

米国で10年間、2832人を対象に行われた認知トレーニングの追跡調査の結果では、10年後、何もしないグループに比べて、記憶、推論、処理スピードに関する認知トレーニングを受けた群は、それぞれのトレーニングに対応する認知機能が改善し、その効果は10年後も維持されていたそうです。

脳トレは効果はあるの?ないの?

脳トレの効果があるかどうかは、子供と高齢者でも違ってきますし、その脳トレのトレーニングの内容によっても違ってくるのでしょう。

ゲームのように、似たようなことを繰り返すようないわゆる「ルーティン化した作業」では、脳はそれに慣れてしまい活性化しにくいのかもしれません。

その一方で、度に複数のタスクを行うような作業では脳は活性化すると言われています。
家事でも、職場の仕事でも、一つのことではなく、同じ時間内に複数のことをこなすような仕事をしていれば、脳が鍛えられるのでしょう。

それじゃ、いわゆる脳トレゲームなどでは頭が鍛えられないのかというと、少なくとも頭の良さの指標となる問題解決力などにつながるとは思えません。
しかし、脳トレゲームをやるには、記憶を一時的に「ワーキングメモリ」に入れて保存しておく記憶力については、鍛えられるのだと思います。

ワーキングメモリが増えれば、一時的に記憶できる情報の容量が増えるわけですので、これはマルチタスクな仕事の効率向上にもつながります。

これはもしかしたら、マルチタスクな同時処理訓練をすることで頭が鍛えられるというのと一致しているのかもしれません。

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