これから整数に関連した代表的な問題とその考え方についてご紹介していきます。
最大公約数と最小公倍数
最大公約数と最小公倍数を使った問題をご紹介します。
【問題1】
異なる2つの自然数があります。この2つの自然数の最小公倍数と最大公約数の差は88で、
和は104です。この2つの自然数の積はいくつになるでしょうか。
【解答1】
最大公約数と最小公倍数の差と和がわかっていて、当然、最大公約数<最小公倍数なので、連立方程式により最大公約数と最小公倍数を計算することができます。
計算してみると、最大公約数は8、最小公倍数は96となります。
2つの自然数をx、yとすると、その最大公約数は8になるので、xとyはともに8の倍数となるので次のように表せます。
x=8m
y=8n
しかもmとnは整数で、しかも共通の約数を持ちませんので、
8mn=96
となります。
xとyの積を求める問題なので、xy=8m×8n=8×8mnとなり、これに8mn=96を代入してみると、xy=8×96=768になります。
よって、2つの自然数の積は768になります。
最大公約数と最小公倍数の応用
今度はもうちょっと応用となる問題です。
【問題2】
3つの自然数、14、63、nがあり、その最大公約数が7、最小公倍数が882となります。
nは300より小さいとした場合、自然数nに該当する数は、全部でいくつあるでしょうか。
【解答2】
まずは、すでに分かっている数字を分解してみます。
14=7×2
63=7×3×3
最小公倍数は882ということですので、882=7×2×3×3×mと考えると、m=7と出てきます。
最大公約数が7で、最小公倍数が882=7×2×3×3×7(m)ということなので、nはいく通りか考えられ、それはm=7に最大公約数7を掛けた49と、2と3と3の組み合わせをかけた数になります。
つまり、nになる可能性がある自然数は、
7×7に加えて、(7×7)×(2、3、2×3、3×3、2×3×3)の組み合わせの6通りとなります。
具体的には、49、49×2=98、49×3=147、49×2×3=294、49×3×3=441、49×2×3×3=882の6通りです。
このうち300より小さい場合なので、49,98、147、294の4つが該当することになります。
公約数のひねり問題です
次は、公約数を使ったひねり問題です。
【問題3】
158、204、273をそれぞれ同じ2桁の自然数xで割ると、割り切れずに、その余りはいつも等しくなります。
この時のxを求めなさい。
【解答3】
それぞれ3つの数を割った余りが同じになるというのであるから、それをyとします。
そして文章どおり素直に式を立ててみるとこうなります。
px+y=158
qx+y=204
rx+y=273
p、q、rは定数。
これをまとめると、
(qーp)x=46
(rーq)x=69
となります。
すると、xは、46と69の公約数であることがわかります。
46=2×23
69=3×23
公約数は1と23ですが、xは2桁の自然数なので、必然的に23となります。