睡眠は記憶力をアップさせるということが知られていますが、その効果は以外にも超短期間で現れてくるということを示した研究報告が発表されています。
エネルギー食いの脳
脳は、非常にエネルギーを食う組織です。
脳の重量は体重の5%であるのに対して、その基礎代謝は身体全体の20%に達します。
これだけエネルギーを食う組織なので、休ませなければなりません。
その脳を休ませる作業が『睡眠』になります。
『睡眠』は大きくわけて『レム睡眠』と『ノンレム睡眠』に分けることができます。
『レム睡眠』は、急速眼球運動(Rapid Eye Movement)の頭文字をとって、REM睡眠となっていて、レム睡眠中には急速眼球運動が行われていることからも、脳が覚醒している状態になっているのです。
レム睡眠は、夢を見ているときの睡眠で、身体は休んでいるけれど、脳は起きている状態の睡眠です。
『ノンレム睡眠』は、急速眼球運動はなく、脳もしっかりと急速している状態の睡眠になります。
通常、人間は就寝すると、ノンレム睡眠とレム睡眠が1セットとし1時間半で繰り返して起床に向います。
睡眠と記憶
人間の記憶は大きく『宣言的記憶』と『手続き記憶』に分けることができます。
『宣伝的記憶』には、『エピソード記憶』と『意味記憶』があります。
『エピソード記憶』は、自伝的記憶とも言われいわゆる日記みたいなもので、例えば、旅行へ行ったときのエピソードをいろいろと記憶していると思いますが、そのような記憶になります。
『意味記憶』は、いわゆる受験などで勉強するような内容になります。
例えば、「江戸幕府は1603年~1867年である」といったようなものが意味記憶になります。
『手続き記憶』は、やり方やルールの記憶、体で憶えた記憶になります。例えば、一回自転車に乗れるようになると、しばらく乗っていなくてもちゃんと乗れるというようなものが手続き記憶になります。
レム睡眠では、新たな記憶を既に記憶していたことと関連づけ、次に想起する(思いだす)時に、スムーズに出てくるように索引づけする作業が行われます。
ノンレム睡眠では、深いときはいやな記憶を消去する働きがあり、浅いときは手続き記憶を固定する働きや、新たに記憶したことを過去の記憶と結合する働きがあるとされています。
6分睡眠が記憶力をアップさせる
ドイツのデュッセルドルフ大学の研究報告によると、わずか6分の「超短時間」睡眠をとるだけで、記憶力が大幅にアップすることが証明されています。
学生たちを集め、2つのグループに分け、いくつかの単語を覚えるように指示し、それをテストする前に1時間の休憩をしてもらいました。
片方のグループには6分間の睡眠を、もう片方には休憩中ずっと眠る事が許されました。
そして、単語テストを行ったところ、なんと6分間睡眠のグループのほうが、明かにより良い結果だったのです。
このことから、超短時間睡眠であっても、睡眠中の脳の記憶処理が始まるということがわかったのです。
疲れたいたりしたとき、または勉強をはじめるぞというとき、その前に6分間の超短時間睡眠をとってみると、記憶効率がアップするかもしれません。