20代と40代で性質が違う脳 | 賢脳トピックス

年をとってから、いざ勉強をしなおそうと勉強を始めたのはいいものの、お若い学生のころには何でもすぐに覚えられたのに対し、今は何度教科書を読んでも覚えられないと感じているかたも多いかと思います。

そして、もう自分も年だし、覚えるのはもう無理だなと思いがちになってしまいます。

しかし、脳には年齢によって得意な機能があるので、無理だと思う必要はないのです。

若いときの知能

若いときは、『流動性知能』というものが得意な脳の性質をしています。

流動性知能とは、新しい情報を受け入れたり、新しい環境に適応するといった、いわゆる頭のやわらかさ、もっといいかえればIQテストで点数化されるような知能が発達していきます。

そしてそのピークは、20代半ばから30代となっていて、それ以降は徐々に低下していきます。

若い学生のころ、とにかくなんでも丸暗記できたというのは、この流動性知能が発達しているからなのです。

年をとってからの知能

年をとると、流動性知能の働きが低下してくるので、若い時と比べて、ばんばんと丸暗記というのは少し苦手になってきます。

その代わり、『結晶性知能』というものが育ってきます。

結晶性知能とは、数ある情報の中から最善のものを選ぶために、自分が持っている記憶情報を組み合わせて答えを出していく能力です。

この結晶性知能は、言語能力にも深くかかわっているもので、言葉を上手に使いこなして、他人とコミュニケーションをとっていくというのも、この結晶性知能が働いています。
結晶性知能は、経験を重ねることによって能力が上がっていくのです。

40代あたりからは、結晶性知能が優位になってきて、その後60代くらいまで伸び続けることがわかっています。

若いときと覚え方を変える

若いとき、学生のときは、流動性知能が発達していたので、とにかく参考書をそのまま丸暗記でも覚えられました。

しかし年をとるとともに、流動性知能の機能は低下するので、昔のようにはどんどん覚えられませんし、記憶の定着に時間がかかってしまったりもします。

その代わり、年とともに結晶性知能が育ってきますので、これを利用し、新しい言葉を覚える場合、実際に生活の中で何度もアウトプットして覚えていくと良いのです。

もちろん、脳の機能については個人差もありますし、脳を鍛えることによって、年をとっても知能の低下を抑えることも期待できます。

まとめると、若い10代・20代は、そのまま丸暗記でどんどん覚えられるのでそれでも問題ありません。

30代以降になると、丸暗記で覚えられるのであればそれでもいいのですが、結晶性知能を使って、アウトプットに時間をかけていき身につけていくという学習法も非常に有用なのです。

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