どうやったら勉強を効率的にできるかということは、受験生はもちろん、資格試験をめざしている社会人にとっても、趣味でいろいろ勉強したいという人にとっても、永遠の課題かもしれません。
よく勉強は、ペンキ塗りに喩えられたりします。
書店などにいくと、いろいろな勉強法の本がでていて、いかに多くの学生や社会人が勉強法で悩んでいるかということをそのまま表しているのかもしれません。
なぜ勉強はペンキ塗りなのか
ペンキ職人の仕事を見ていると、まず薄くペンキを塗って、それから何度もペンキを塗り重ねていきます。1回だけペンキを塗って、それで完了ということはまずありません。
なぜならば、1回しかペンキを塗らないと、どうしてもムラができてしまうからです。
勉強もこれに非常によく似ています。
よほどの天才でもない限り、学習したことを一度で理解し、一度でしっかりと記憶し、試験まで忘れないということはできません。
人間の脳は、繰り返して学習することによって、それが重要なものであるという認識をして、しっかりと記憶に残るようになります。
短い範囲の試験、限られた範囲の試験は田植えよりペンキ塗りで
例えば小テストであったり、学校の中間テストや期末試験ぐらいの範囲であれば、ペンキ塗りのようにうすく1回通しで最後まで勉強し、忘れないうちに繰り返して勉強していくことで、記憶が強化されていきます。
じっくり勉強するのではなく、スピード感をもってどんどんと先に進んで範囲を終わらせてしまいます。
田植えのように、1ページ1ページ時間をかけて勉強すると、なかなか前に進まず、範囲内を全部勉強し終わったころには、最初に勉強したところははるか昔に勉強したことになり、最初に勉強したときはたしかにいろいろできていたのに、時間が立っていることからいろいろと忘れてしまっていることが多くなります。
ある程度範囲が限定されているような場合だと、最初ざっと学習し、それから肉付けしていくという勉強法で何度も同じ範囲を短時間で繰り返したほうが記憶に残ります。
100語の英単語テストをどうするか
だて、英単語のテストがあり、英単語を100語ないし200語覚えなければならなくなった場合、どうしたらよいでしょうか。
ここで、同じ条件として、5時間勉強時間として使えるということで2つの方法を比較してみましょう。
方法Aとしては、5時間をかけて1日で100語~200語覚える
方法Bとしては、1日1時間、5日にわたり100~200語を覚える
さて、方法Aで英単語を覚えた場合と、方法Bで英単語を覚えた場合で、テストをした場合、どちらの成績が良いでしょうか。
覚えた直後にテストしてみると、方法Aの場合も、方法Bの場合も成績はそれほど変わりません。つまり差がでません。
しかし、しばらく時間が立ったときにテストしてみると、方法Bつまり5日に分けて学習したほうがより多くを思い出せるという結果になります。
勉強時間の合計はどちらも同じ5時間だったのにです。
つまり範囲が決まっている、限られているような試験では、一気に速めに全体を進めてしまい、それをペンキを重ね塗りするような感じで何回も反復するほうが、より長期記憶に残ります。