思い込みをなくせば脳のストレスも減る | 賢脳トピックス

人間は恐れを感じるとストレスがかかりますが、この恐れには、本能的な恐れ心理的な恐れがあるのです。

どうしても必要な本能的な恐れ

本能的な恐れの例としては、シマウマの前のライオンです。
シマウマはその捕食者であるライオンが目の前にいたら、それは命が非常に危険な状態です。
この本能的な恐れに深く関与しているのが扁桃体です。

扁桃体は、恐れを記憶し、恐れに反応します。

扁桃体は、動物が、天敵の外見やにおい、音や感触、行動などの情報を記憶していくのに役立っています。

そして、後に恐ろしい状況に遭遇したとき、蓄えたいった情報をたよりに、何をすべきかを瞬時に判断していくのです。

目の前にライオンがいるのに、のんびりと草を食べているシマウマなら、すぐに食べられてしまいます。

だからこそ、扁桃体は危険を感じると、脳を警戒モードにします。

そして、安全が脅かされているような場合、最悪の事態を想定し、不安に駆られることになります。

しかし、危険が迫っているのに悠長なことをしていたらいけませんので、最悪の事態を考えるネガティブな扁桃体は重要なのです。

本当的恐れとは違う心理的な恐れ

命の危険が迫っているといった本能的な恐れに対して、心理的な恐れは、「将来の生活はどうなるのだろうか」、「このプレゼン失敗しないだろうか?」、「自分はこれからの環境の変化についていけるのだろうか」、「自分はなんでみんなと意見が合わないのだろうか」、「これじゃ、自分の面子がまるつぶれだ」というように、目の前の命の危険というようりは、頭の中で膨らんでいって不安になっていく心理的なものです。

これにも扁桃体が深く関与しています。

そして、現代社会において、ストレスのほとんどが、外の世界、つまり目の前にライオンが現れたというような本能的な恐れよりも、内面の世界に原因があります。

心に悩みをかかえ、それが不安になり、しだいにネガティブな感情が膨らんできて、自分は危険にさらされているという恐れにつきまとわれて、強いストレスになってしまうのです。

ストレスを減らすために思い込みを減らす

現代人のストレスの多くは、架空の状況を作り出し、それを現実だと思い込んでしまい、不安になってしまうところにあります。

もちろん、それが命に関わってくるというものであれば、警戒心をもたなければいけないのですが、「将来の生活はどうなるのだろうか」とか「このプレゼン失敗しないだろうか?」といったことは、現段階で現実のものではありませんし、命の危険に直接関係してくるといった本能的なものでもありません。

目の前にライオンがいるのとは全然違います。

もちろん、きちんと考えて将来的なリスクを減らしていくということも大切なのですが、頭の中で作り出した妄想で、未来を予測して、かえってストレスになってしまっては元も子もありません。

トラウマをもった人だと、過去の経験やこだわりから、無害なはずの音や人物を過去のトラウマと結びつけて、かえってそれがストレスになってしまうケースもあります。

ストレスを減らすためには、思い込みではなく、今の状況が本当に恐ろしいものなのか、それとも自分が思い込んで妄想しているだけのものなのかを考えてみると良いのかもしれません。

それでも、なかなかどうにもならないのが、不安でありストレスなのでしょう。

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