眠れないときの漢方処方 | 賢脳トピックス

不眠の悩みは、現代多くの人がかかえる悩みになっています。

不眠の原因としては、ストレス・心や体の病気・薬の副作用などさまざまですが、不眠が続くと不眠恐怖といった状態になり、緊張や睡眠状態へのこだわりのために、さら不眠が悪化するというスパイラルに陥ってしまいます。

日本人に多い不眠

日本人の睡眠時間は、外国の人と比べて短いと言われ、日本人は世界最短のショートスリーパーだと言われています。

ちなみに、2020年の日本人の平均睡眠時間が世界で最も短く、6時間22分19秒となっていて、世界平均の7時間8分45秒と比べると、45分も短くなっています。

また日本人を対象にした調査によれば、5人に1人が「睡眠で休養が取れていない」、「何らかの不眠がある」といったことで悩んでいて、60歳以上の方ではなんと約3人に1人が睡眠問題で悩んでいます。

またそのため通院している方の20人に1人が不眠のため睡眠薬を服用しているそうです。

不眠に効く主な漢方薬

漢方薬や生薬製剤にも「不眠」の効能をもったものがたくさんあります。

●温胆湯・加味温胆湯

体力中等度以下で、胃腸が虚弱なものの次の諸症:不眠症、神経症

●黄連解毒湯

体力中等度以上で、のぼせぎみで顔色赤く、いらいらして落ち着かない傾向のあるものの次の諸症:鼻出血、不眠症、神経症、胃炎、二日酔、血の道症注)、めまい、動悸、更年期障害、湿疹・皮膚炎、皮膚のかゆみ、口内炎
●加味帰脾湯
体力中等度以下で、心身が疲れ、血色が悪く、ときに熱感を伴うものの次の諸症:貧血、不眠症、精神不安、神経症

●加味逍遙散

体力中等度以下で、のぼせ感があり、肩がこり、疲れやすく、精神不安やいらだちなどの精神神経症状、ときに便秘の傾向のあるものの次の諸症:冷え症、虚弱体質、月経不順、月経困難、更年期障害、血の道症注)、不眠症

●柴胡加竜骨牡蛎湯

体力中等度以上で、精神不安があって、動悸、不眠、便秘などを伴う次の諸症:高血圧の随伴症状(動悸、不安、不眠)、神経症、更年期神経症、小児夜泣き、便秘

●三黄瀉心湯

体力中等度以上で、のぼせ気味で、精神不安、みぞおちのつかえなどある方の高血圧の随伴症状(のぼせ、不安、不眠など)、更年期障害など

●帰脾湯

体力中等度以下で、心身が疲れ、血色が悪いものの次の諸症:貧血、不眠症、神経症、精神不安

●酸棗仁湯

体力中等度以下で、心身が疲れ、精神不安、不眠などがあるものの次の諸症:不眠症、神経症

●抑肝散
体力中等度をめやすとして、神経がたかぶり、怒りやすい、イライラなどがあるものの次の諸症:神経症、不眠症、小児夜泣き、小児疳症(神経過敏)、歯ぎしり、更年期障害、血の道症

●柴胡桂枝乾姜湯
体力中等度以下で、冷え症、貧血気味、神経過敏で、動悸、息切れ、ときにねあせ、頭部の発汗、口の乾きがあるものの次の諸症:更年期障害、血の道症注)、不眠症、神経症、動悸、息切れ、かぜの後期の症状、気管支炎

その他、不眠に効く漢方薬

上記以外にも、例えば効能に「不眠」と「神経」という言葉が出てくる処方もいっぱいあります。

甘草瀉心湯、甘麦大棗湯、桂枝加竜骨牡蛎湯、柴胡桂枝乾姜湯、四逆散、逍遙散、抑肝散加芍薬黄連、抑肝散加陳皮半夏といったような処方があります。

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