なぜ人は他人のあら捜しをしてしまうのか | 賢脳トピックス

どんな世界にも優れたスターはいるもので、その実力はもちろん、すばらしい人間性も兼ね備えていたりします。

例えば、ロジャースに移籍した大谷選手は、スター性もあり、性格も素晴らしく多くの人から支持されていますが、そんな人ですら、あら捜しをして悪くいう人がいます。

あら探しは感情脳から

人間は、自然界で生き抜いていくために、危険なニオイや音、味、動きなどを見分ける必要がありました。

そして、そのために発達した感情脳は、さらに衣服や食べ物、人に関する好き嫌いも司ってきました。

これが、さらに一歩進んだものが、周囲の人や状況の良し悪しに対して、意見や偏見を持って、あれこれ判断するようになってしまったという人間の性なのです。

もちろん、周囲の人や状況の良し悪しに対して判断を下す際に、それは好意的な判断ばかりとは限りません。

人間は、自分が正しいと思い込んでしまうと、それと違うもの、相手は間違っていると決めつけて批判してしまい、真実をすっかりゆがめてしまうのです。

多くの人が一番批判する相手とは

さて、ここで問題です。

多くの人が一番批判する相手とは、どんな人でしょうか。

実は、多くの人が一番批判する相手、厳しい目を向ける対象は、まさに自分自身なのです。

そして、自分自身への批判は、ネガティブなセルフトークとなって対話の中で現れてきます。

じつは、これが非常にストレスになり、体は疲れてしまいます。

人間は、今まで、いろいろな形で、自分はダメなんじゃないかというネガティブな思考や情報を植え付けられてきたため、ネガティブなセルフトークが出やすいのです。

親から口やかましく小言を言われ続け、こんなんじゃ努力が足らないと教師やコーチに批判され続け、周りからは嫉妬されたり足を引っ張られたり、そして刷り込まれたものが、虚像とは思えず、真実として記憶されてしまったため、これに感情脳が敏感に反応してしまうようになり、自分自身を嫌悪して批判するようになってしまうのです。

自分批判から他者批判へ

こうして膨らんだ自己自身に対する嫌悪や自己に対する批判は、自分では支えきれないほど大きく成長してしまうと、今度はそれが批判という形で他人に投影されるのです。

調子ぶっこいて他人を批判している人は、実は他人を批判しているようで、そこに自分自身に対するネガティブな思いが投影されていたりするのです。

よく、ああいう人には私はなりたくないと言ったりして他人を批判しますが、それは自分自身がおおいう人と同じ、またはああいう人のようになりかけているという自覚の裏返しということもあるのです。

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