記憶術では、いかに印象に残るイメージを瞬時につくれるかがカギになってきます。
例えば、「頭」と「みかん」を結びつける場合、普通に、「頭の上に普通のみかんが乗っている」というイメージをしても、当たり前のイメージでピンときません。
しかし、「頭を大きなみかんの中に突っ込んだ」とイメージして、その時に香るミカンの匂いや顔にかかった汁をイメージすれば、より鮮明に記憶に残るのです。
こうした鮮明なイメージを残すためにいくつかのテクニックがあるのでご紹介します。
大きさを変えてみる
とにかく、常識的なものよりも非常識的なもの、日常的なものよりも非日常的なもののほうが印象的で記憶に残ります。
例えばリンゴを連想します。
そのとき、そのリンゴがどんどんと大きくなって2倍になる想像をします。そしてさらに倍になって4倍になったと想像していきます。
そして最初の100倍の大きさになったリンゴをイメージします。
このとき、最初のときにイメージしたリンゴと同じようにリアルにイメージできるようにします。
100倍の大きさにしたときも、きちんとイメージできることが大切です。
それができたら、今度はその大きくなったリンゴをゆっくりと小さくしていきます。
すみずみまでリアルに拡大したリンゴを、今度はゆっくりと元に戻していき、最初の大きさまで戻していきます。
このとき、大きくしてから小さくしていったリンゴが、最初のときイメージしたリンゴよりも鮮明で細かくイメージできていればイメージ力が上がったことになります。
いつもリンゴだと飽きてしまうので、違う果物や野菜にして連想して練習してみると良いでしょう。
位置を変えてみる
またリンゴで説明しますが、今度はリンゴを手前に置いたイメージをします。
そしてそのリンゴを1m、2m、3m・・・と、どんどん遠ざけていきます。
遠ざけても、なお鮮明にイメージできるようにします。
そして、それを逆に元の位置まで戻していきます。
次に、手前のリンゴを今度は右の方へ移動させていきます。
そして元に戻します。
これを左の方へも同じように行います。
リンゴをいろりお移動していく中で、最初の位置に戻ったとき、最初にイメージしたときよりもいろいろと移動したことでより心の中にしっかりと空間的な場を占めることができるようになっていきます。
転がしてみる
今度は、リンゴを心の空間で転がしてみます。
転がすことで、これまでリンゴの見えていなかった部分、側面が見えてくるかもしれません。
回すときの手ごたえや重さを感じ、触れた感触を感じます。
10mくらい遠方に放り投げ、ころころと手前に転がして戻したりするなどバリエーションを加えて練習してみると良いでしょう。
そうすることで、最初にイメージしたリンゴを、よりリアルなイメージとしてイメージすることができるようになっていきます。